国交50周年をにらみ在日社会の統合にも注力
第69回光復節慶祝中央記念式典が15日、民団東京本部の主管により東京・日比谷公会堂で団員ら約2500人が参加して開かれた。参加者は、祖国の繁栄と韓半島の非核化・平和統一基盤構築への積極参与を表明、在日同胞社会の大同団結と次世代の育成に全力を尽くすとともに、悪化した韓日関係の改善へ懸け橋役のいっそう強化を誓うと同時に、民族差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)の根絶へ法的規制などを求める決議文を満場一致で採択した。この日、全国各地で開かれた民団の光復節慶祝記念式典でも同様な決議が行われた。
中央式典は金秀吉東京本部団長の開式辞で始まり、金元辰駐日大使代理が、朴槿恵大統領の「第69周年光復節慶祝辞」を代読した。
民団中央の呉公太団長は慶祝辞で、「韓日の友好関係なくして在日同胞社会の安定もない。民団は各種交流事業を通じて両国をつなぐ懸け橋の役割を強化する」と強調。同時にヘイトスピーチ根絶へ法的規制を日本側に求めた。
さらに、呉団長は、在日同胞の7分の1が北に移住した「北送事業」開始から今年で55年になることを想起させ、未だに実施されていない「元在日同胞および日本人配偶者らの安否調査と自由往来の実現」を促した。
続いて日本側主要来賓があいさつ。日韓議員連盟の額賀福志郎会長代理の猪口邦子未来委員会副委員長(自民党参議院議員)は「日韓両国間にさまざまな問題がある。こういう時にこそ、多様なレベルで対話と交流を図り相互理解を深め協力関係を強化していくことが必要」と強調。「ヘイトスピーチをなくしていくのに最善の努力を重ねていく」と表明、「来年は日韓国交正常化50周年を迎える。この大きな歴史の節目を両国国民が共に笑顔で迎え祝うことができるよう、議連はさらに努力する」と誓った。
民主党の中川正春幹事長代行(衆議院議員)は「日韓両国の首脳が胸襟を開き意見を交わすことができない異常事態が続いており、非常に残念だ。早期に会って対話をすべきだ」と強調。また「ヘイトスピーチに対しては断固闘っていかねばならない。お互いにアイデンティティーを尊重しながら関係の発展へ一緒に頑張っていきたい」と明らかにした。
公明党の魚住裕一郎参議院議員(党参議院会長)は、「日韓関係は非常に厳しい状況にある。だからこそ多様な分野での重層的交流とネットワークの構築が重要だ。共生を旨とする民団の年来の要請である地方参政権にも引き続きしっかり取り組んでいきたい。ヘイトスピーチは人権問題そのものであり、危機意識を持ち取り組んでいく」と表明。「来年は正常化50周年、また2018年平昌冬季五輪、20年の東京五輪がある。相互理解と友好増進のために懸け橋役を担っている民団の皆さんと一緒に役割を果たしていきたい」と述べた。
日本共産党の吉良よし子参議院議員は、「日韓両国民と在日韓国人の皆さんとの友好、特に若い世代の関係が発展するよう力を尽くしたい。そのためには、まず日本側が過去の誤りはきちんと認め清算してこそ、日韓の心の通う友情が築ける」と強調。「永住外国人の地方参政権については、早期に実現できるように力を尽くしたい。ヘイトスピーチは人間として許されないという思いをもった学生や若者がデモや抗議に参加することで、自治体の対応にも変化がおきている」と指摘した。
式典参加者は、①祖国の繁栄にいっそう寄与し、韓半島の非核化と平和統一の基盤構築に積極的に参与する②新規定住者、日本国籍取得者、総連離脱者など多様な同胞たちを結集し、在日同胞社会の団結と大統合に尽力する③次世代の育成を通じて組織活性化と民族的アイデンティティーの確立に全力を尽くす④韓日関係の改善のため各種交流事業を推進し、懸け橋の役割をより強化する⑤民族差別をあおるヘイトスピーチを座視せず、同胞の人権を守るために法的規制を日本当局に強く求める、との決議文を採択した。
(2014.8.27 民団新聞)