国連委の対日勧告踏まえ
民団中央本部は17日、韓国中央会館(東京都港区南麻布)で2014年度後半期全国地方団長・中央傘下団体長会議を開き、今年度前半期の活動を総括し、後半期の主要活動について検討・確認した(写真)。在日韓国人らに対するヘイトスピーチ(憎悪表現)問題については、国連人種差別撤廃委員会(ジュネーブ)が日本政府に対して「毅然と対処」し、法律で規制するよう勧告したのを踏まえ、民団としても、その法制化を求める運動を推進することを確認し、中央と地方が力を合わせて全国要望活動を行うことにした。
呉公太中央本部団長はあいさつで、ヘイトスピーチ根絶に向けた民団中央本部人権擁護委員会メンバーらからなる陳情団のジュネーブ派遣の成果を強調、引き続き活動を強化することを呼びかけた。
また、「在日同胞を取り巻く環境には依然厳しいものがある」と指摘し、もう一つの懸案である韓日関係について、「来年の韓日修好50周年に向けて、両国関係の修復・発展へいっそう力を尽くさなければならない」と表明。民団再生、次世代育成、韓日友好増進の3大運動の徹底へ忌憚のない意見交換を要望した。
参席した柳興洙駐日大使は激励辞で、在日同胞と民団について「6・25韓国戦争、IMFアジア通貨危機などわが国が厳しい時に支援し、またソウル五輪、サッカー・ワールド杯共催成功などにも寄与してくれた。どれだけ故国を愛し、労苦をともにし貢献してくれたことか。この場を借りて感謝を表明したい」と強調した。
柳大使は最近の韓日関係について「厳しく難しい時機に大使に着任した。両国関係には良い時も悪い時もある。良くない関係が継続してはならない。来年の修好50周年が新たな出発になるよう尽力する。皆さんも両国関係の改善・発展へ知恵を集めて協力してほしい」と要請すると同時に、「同胞社会の中心である民団の役割」への期待を改めて表明した。
会議では前半期の主要活動の報告および団務示達を受け、重点方針具現へ質疑応答と意見交換が行われた。
「長崎韓国人原爆犠牲者慰霊碑」建立が当初の予定より遅れていることについては、金亨道長崎県本部団長から説明が行われた。
団務示達では、在日学徒義勇軍戦没者慰霊忠魂碑の建立(韓国中央会館前)に伴う慰霊祭および除幕式の10月3日実施が報告された。
最後に、ヘイトスピーチ対策を重点的に協議した。まず国連人種差別撤廃委員会の日本人権状況審査に先立ち、NGO団体が主催した同委員会委員らへの説明会で上映した「ヘイトススピーチ・デモ」DVD(5分余)を上映。
続いて陳情団のジュネーブでの活動について、人権擁護委員会の李根委員長から報告を受けた。
会議では、国連人種差別撤廃委員会で日本政府に対して「毅然と対処して法律で規制するよう」促す厳しい勧告が出されたのを踏まえ、在日韓国人らを標的としたヘイトスピーチおよび街宣活動を犯罪行為として禁止し、処罰する法律の制定を求める要望活動を全国的に展開することを確認した。
(2014.9.24 民団新聞)