朴槿恵大統領は1日、忠清南道の鶏竜台(陸海空三軍統合本部)で開かれた「国軍の日」建軍66周年記念式典での演説で、「軍と国民が使命感を持って取り組むべきことは北韓住民の生活向上と韓半島平和統一の基盤構築だ」と強調した。同時に「先日、国連総会で北の深刻な人権問題を伝え、北の住民の生活を改善する問題について議論した」と説明。北韓に対して、核開発問題が「南北関係発展の最も大きな障害になっていることを直視し、一日も早く核を放棄して国際社会の責任ある一員にならなければならない」と改めて促した。
解決へ積極対処強調
人権・生活の改善も
朴大統領は9月24日の国連総会(米ニューヨーク)での基調演説で、北韓の非核化と人権問題に言及し、統一問題に多くを割いた。「6・25韓国戦争により生き別れになった離散家族が今も辛い時間を過ごしている」と南北分断の苦しみを訴え、「韓半島の統一は核兵器のない世界の出発点、人権問題に対する根本的な解決策であり、安定した環境の中で協力する東北アジアを実現する出発点になる。世界で唯一残っている分断の壁を崩すため、共に協力してほしい」と、国際社会に向け統一への支持を呼びかけた。
また、南北軍事境界線がある非武装地帯(DMZ)に世界生態平和公園をつくる構想を紹介。「国連の主導で南北や米国、中国など韓国戦争当事者が参加し、国際的な規範と価値を尊重して造成すれば、韓半島の緊張緩和と平和統一の一助になるだろう」と述べた。
さらに朴大統領は、国連総会で懸案に挙がっている北韓内の人権状況と北韓脱出住民(脱北者)の人権問題に言及した。「北韓と国際社会は、3月に国連人権理事会が採択した北韓人権調査委員会(COI)の勧告事項履行のために必要な措置を取らなければならない」と表明した。
朴大統領は「近く国連が韓国に設置する北韓人権(状況を監視するための)事務所がこうした努力を支援できると期待する」と述べた。脱北者の人権問題についても、「脱北民が自由意志により目的地を選択できるよう国連の該当機構と関連国家が必要な支援を提供しなければならない」と訴えた。
北韓の核問題については「北韓は核を放棄する決断を下さなければいけない。自ら核を放棄し、経済を発展させ住民の生活を改善するという変化の道に進むべきだ」と促した。
同時に「その場合、我々は国際社会とともに北韓の経済発展を積極的に支援するだろう」と約束した。「領域内の国家間の信頼と協力の秩序を構築するために『東北アジア平和協力構想』を推進している」とも明らかにした。
朴大統領は、国連総会から帰国後の30日に開いた国務会議で、「北核問題と北韓の人権問題は、我々の対北韓政策の核心アジェンダだ。平和統一の基盤を構築するためにも、北韓の人権問題は大変重要な問題」と再強調した。
さらに「北韓人権法もほかの国々は制定したが、わが国では10年も国会に係留されている」と指摘、「関連部署では法案が通過されるよう努力し、国際社会とともに国連北韓人権調査委員会の勧告事項などの履行のために必要な措置を積極的に講じてほしい」と要請した。
(2014.10.8 民団新聞)