水泳 22年ぶりに「金」…サッカー PK戦で雪辱
第95回韓国国体済州大会で在日同胞選手団は過去最多だった昨年の17個には及ばないものの、28ある海外同胞種目の約半数を制覇した。
ゴルフ男女の全4種目をはじめ、テニス男女の3種目、ボウリング女子の4種目に加え、テコンド、サッカーのほか国内種目の水泳でも金メダルを獲得した。
昨年、ボウリング女子の全種目を制覇し5冠王となった柳真裕実は今年も底力を発揮。3人組、5人組、マスターズの3種目で優勝した。
在日同胞選手団が最初に獲得した金メダルは大会3日目のボウリング女子2人組戦だ。首位を走る柳真裕実・黄聖姫組を2年前の4冠王、金星伽(愛知大学3年)とベテランの朴祥子チームが最終ゲームで逆転しての優勝。在日2チームが金銀を競う圧巻ぶりだった。
テニスは男女ともにシングルスで優勝したほか、女子ダブルスでも連覇した。
ゴルフは大学生トリオが強さを見せ、男女そろって個人と2人による団体戦全てを制覇した。女子の金亜祐美、康美咲の大阪学院大学コンビが好スコアを維持し金と銅を獲得、2人合計の団体戦も金メダルを獲得した。
男子は若干19歳の具本盛(日本大学1年)が活躍。父の影響で5歳からクラブを打ち始めた具は185㌢の長身を活かしたパワーに加え、緻密なパットでスコアを伸ばし、金メダルを獲得した。
サッカーは昨年のリベンジを果たした。予選リーグで在カナダ、在サイパン同胞に快勝したあとの準決勝はここ数年、上位の成績を残している在中国同胞。しかし、在日は正確なパス回しでチャンスをしっかり決め、6‐1と大勝した。決勝は昨年と同カードの在豪州同胞。0‐0で両者譲らないままPK戦にもつれ込んだ末、4‐2で勝利し、3年ぶりに金メダルを奪還した。
在日同胞は国内種目でも奮闘ぶりを見せた。
女子一般背泳100㍍で姜幸が1分1秒93で金メダル。競泳での金は86年、90年のアジア大会にも出場した尹周一が92年大邱大会で獲得して以来22年ぶりとなる。
昨年、3人の韓国代表を輩出した柔道では金琳煥(大学男子66㌔級)が銅メダルを獲得した。
柔道女子高校63㌔級で連覇した安沙好(韓国体育大学)と今年10月の世界ジュニア柔道選手権(米国)で優勝した安昌林(龍仁大)は国内選手として出場。安昌林は同じ大学の金ヨンジェとの決勝で一本勝ちし同門対決を制した。大学戦デビューの安沙好はベスト8止まりだった。
3連覇を果たし金炳鍾選手団長は「在日同胞の若い選手たちの活躍に感銘した。着実な選手発掘・育成が進んでいることを実感した」と目を細めていた。
また、国体閉会の翌日から江原道の楊口文化体育会館で行われた、来年度の韓国代表第1次選抜戦で安昌林が優勝、安沙好は3位と好発進した。
【在日同胞のメダル】
◆金(14個)
・ボウリング
△女子2人組(金星伽、朴祥子)
△女子3人組(朴祥子、金星伽、柳真裕実)
△女子5人組(金星伽、朴祥子、黄聖姫、柳真裕実、正禮、金恵珍)
△女子マスターズ(柳真裕実)
・テコンド
△男子80㌔級(金秀範)
・テニス
△男子単式(権大亮)
△女子単式(尹栄湖)
△女子複式(尹栄湖、朴桂子)
・ゴルフ
△男子個人(具本盛)
△男子団体(具本盛、姜亮太)
△女子個人(金亜祐美)
△女子団体(金亜祐美、康美咲)
・サッカー
△男子団体
・水泳
△女子一般背泳100㍍(姜幸=国内種目)
◆銀(5個)
・ボウリング
△女子個人(朴祥子)
△女子2人組(柳真裕実、黄聖姫)
・テニス
△男子ダブルス(権大亮、鄭直喜)
・卓球
△男子個人(申玄徳)
△女子個人(李仙)
◆銅(5個)
・柔道
△大学男子66㌔級(金琳煥=国内種目)
・テコンド
△男子58㌔級(洪匠哉)
・ボウリング
△女子個人(金星伽)
・ゴルフ
△女子個人(康美咲)
・スカッシュ
△女子個人(李点順)
(2014.11.5 民団新聞)