この日の、もう一人の主役は韓国と日本の高校生たちだった‐。
「韓日ふれあい広場」に、都内在住の在日韓国人と日本人市民2700人が集まった。文化、芸術、スポーツなどを通して両市民の交流と友情を深めたいという主催側の思いが体現された。
かけっこや玉入れ、チェギチャギなどの競技に子どもも大人も参加。肌寒さを感じる日だったにも関わらず、半袖姿も目立った。会場を見渡すと、そこかしこに坊主頭の少年たちが‐。キビキビして無駄な動きがない。今回、目を見張る活躍ぶりだったのは、自ら出演・ボランティアとして参加した、東京韓国学校の約150人、区内の東京高等学校の野球部員39人と吹奏楽部員約50人の生徒たちだ。
韓学舞踊部による演技が始まった途端、坊主頭の球児たち一群が近距離まで駆け寄ってうっとり顔。可憐で優雅な彼女たちが舞う姿は、さぞや天女のように映ったことだろう。続く吹奏楽部の演奏は、東京都高等学校吹奏部コンクールA組で金賞を受賞した腕前だ。楽器を吹きながらのパフォーマンスやKARAや少女時代のヒット曲をメドレーで披露。韓学生によるK‐POPを中心としたダンスバトルも見ものだった。
両国の高校生たちは裏方として、積極的に運営にも関わった。さらに、この場ならではの感動の場面があった。閉会後、両国の高校生同士がスマホを手にLINE交換をしていたのだ。輝く笑顔の彼らに嫌韓嫌日はない。高校生たちが生んだ新芽は誰にも摘めない。
もしこの場に、血眼になって嫌韓をあおる某社の記者たちが居合わせたら、高校生たちが流した清水のような汗ではなく、脂汗をかいたのでは。(A)
(2014.11.12 民団新聞)