「記憶 反省 そして友好」
市民団体、提訴から初
【群馬】第2次大戦中、群馬県で過酷な労働を強いられた末に命を落とした徴用韓国人を悼む第12回集会が18日、高崎市労使会館ホールであった。追悼集会は県立公園・群馬の森に建てた「記憶 反省 そして友好」の碑の自主撤去を県から迫られてから、これが初めて。市民180人が出席し、碑の写真が置かれた仮祭壇に献花した。
主催者を代表して追悼碑を守る会の猪上輝雄共同代表は、碑の建立から10年を経て県が自主撤去を求めてきたため、やむをえず裁判に訴えたことを説明し、「アジアの人たちとの親善友好と連帯を守るためなんとしてでも勝利していきたい」と訴えた。
また、民団群馬本部を代表して追悼の辞を述べた朴旋用団長は、日本の戦後70年の節目の年に開かれる意義を強調しながら、「お互いの人格を尊重しあうところから友好が生まれ、信頼が築かれる。相手が痛いと訴え続けているからには、それを尊重しなければならない」と述べた。
追悼集会は04年の竣工以来、碑の前で行われ、県当局も献花してきた。しかし、12年から「碑文が反日的だ、撤去せよ」とのメール、ファックスによる攻撃が続く。この年の11月には碑の前で横断幕などを掲示しようとした一部右翼団体と公園職員とが小競り合いとなり、警官が駆けつける騒ぎに。このため13年の第10回から会場を変更して行っている。
「守る会」では6月県議会に追悼碑設置期間の更新を求める請願を提出する。賛同署名は累計で4万筆を超えた。
(2015.4.29 民団新聞)