「苦難の3年 無にせぬ」
21日に開かれた在日韓国商工会議所の定期総会は「新たな出発に向け団結」をスローガンに発足した洪采植執行部の総括も兼ねた。組織の建て直しと紛糾していた社団側との和解と統合に向けて苦渋の3年だったと言える。総会後、民団をはじめ公館や民団傘下団体の幹部らが集い、洪会長を労う懇親会が持たれた。
総会では「地方韓商と会員団体が韓商連と行動を共にし、着実に組織強化を図った」と、この3年間を総括。社団との和解に向け民団中央と二人三脚で粘り強く対処し、「民団の傘下団体」との共通認識を基に、数々の苦渋の選択を乗り越えて来たことが報告された。
呉公太民団中央団長は「混乱の3年間、重責を担った洪会長に感謝したい」とした上で、「任期を終えるものの、統合までの間、会運営を引き継いでほしい」と要請した。
この提案を受け緊急役員会を開き、統合総会までの期間、韓商連の空白を避けるため、暫定措置として役割を引き継ぐことを決めた。
総会後、洪会長の慰労と感謝を兼ねた懇親会が行われた。
洪会長は「この3年間、私を支えてくれたみなさんはかけがえのない存在であり本当の同志」としながら、「数々の苦難を乗り越えながらも統合へとこぎ着けたのも皆さんの尽力の賜物」とふり返った。また、「韓商はあくまで商工人の団体であり、民団の傘下団体であるべきだ。全国の同胞商工人がひとつになり、企業人が出会い、情報を交換しあう場として発展してほしい」と統合韓商への期待を述べた。
統合に向けて仲介役として関わってきた駐日韓国大使館の金容吉総領事は「在日同胞経済人の集まりである韓商の団結は必要不可欠。これまで、洪会長をはじめ全国のみなさんの思いは私がよく知っており、努力に感謝したい」と述べ、「皆さんの理解により統合が目の前に見えてきた。その結実まで今一度みなさんの協力をお願いしたい」と呼びかけた。
高奉鉉顧問が乾杯の発声を前に統合総会の延期についてふれ「残念なことだが、小義を捨てて大義を得ることが大切。在日同胞社会全体を考え、統合まで気を引き締めていこう」と呼びかけた。
この後、会場では参加者から洪会長に労いと激励のメッセージが続いた後、民団と全国の会員が団結し、統合まで粘り強く努力していく決意を新たにした。
(2015.5.27 民団新聞)