掲載日 : [2016-02-10] 照会数 : 4476
<布帳馬車>Coolに、Hotに
肌を刺す寒さが日本列島を覆った。2月は如月とも「衣更着」とも書く。衣を更に着る月だからか、と感心しつつ、夏の暑さを恋しがる。
寒いと熱いは相反する言葉だが、英語のCoolとHotではともに「注目されている」というニュアンスがある。前者は「かっこいい」で後者は「盛り上がっている」という具合だ。そういった表現も合わせて見ると韓国の観光市場は昨今、体にさわる底冷えになっているのではないか。
かつての上客であった日本人は年々減り続け、その縮小ぶりは真冬の寒さを思わせる。それになり替わるように今では中国人がお得意様だ。大挙して免税店で爆買いに興じるさまは夏の暑さのようだ。地方の役所では、外国人向けの案内書きがかつて日本語が最も目に付くところにあったのに、今では隅に追いやられ中国語がその位置におさまっている。
しかし、そんな盛りにも徐々に寒さが見え始めている。タクシーのぼったくりや飲食店での店員の対応の悪さなど、サービスへの不満が絶えないらしい。このまま観光客に「冷たい」態度をとり続けていたら明洞の大通りに氷河期が訪れてしまわないだろうか。
こうした現状に終止符を打つべく韓国では文化体育観光部と韓国観光公社が「2016〜2018韓国訪問の年」と題し、今年から平昌冬季オリンピックが開かれるまでの2年間、外国人観光客を積極的に誘致するキャンペーンをスタートさせた。
「冷え込んだ」市場に「熱さ」を呼び戻し「かっこいい」冬季五輪が始まるころには大きな「盛り上がり」を見せられるよう、期待したいところだ。
(U)
(2016.2.10 民団新聞)