掲載日 : [2004-02-04] 照会数 : 4562
<コラム・布帳馬車>科学発展がもたらすもの
昔、少年ジェッターというマンガがあった。腕時計型の無線機に向かってしゃべれば、流星号という空飛ぶ自動車が迎えにきて、悪者をやっつけるというものだった。
鉄腕アトムや鉄人28号、エイトマンなど空想科学漫画が大好きだった。何よりもテレビ電話や手のひらに入る無線機に子ども心をときめかしたものだ。
しかし、人間の欲求はとどまるところを知らないらしい。40年前の空想を現実にしてしまうのだから。今では、小学生でも携帯電話を持ち、女子大生はもっぱら写メールやテレビ電話がトレンドだ。アニメのどらえもんに出てくる翻訳コンニャクだって、携帯型の翻訳機がある。
最近の携帯電話とパソコンの進化はすさまじい。現在のパソコンの性能は、20年前のものに比べて数千倍の能力がある。昔はフロッピードライブは超高額で、庶民はもっぱらテープレコーダーを記録媒体に使っていた。でも今はフロッピーなんて見向きもされない。8インチのフロッピーを見せても、「四角いうちわ?」ぐらいしか見てくれない。
科学技術の進歩は、様々な方面にも波及する。ベルリンの壁崩壊は、衛星放送などによって外部の情報が東ドイツに入ったためだと言われている。今、中国の携帯電話が北韓に持ち込まれ、国境沿いでは脱北者らとの情報交換が行われている。携帯電話が北韓に変革をもたらすアイテムなのかも知れない。(L)
(2004.2.4 民団新聞)