掲載日 : [2004-05-12] 照会数 : 4478
<コラム・布帳馬車>「教育」の力と責任
同族殺し合いを招き南北対立・分断と家族離散を固定化した「6・25韓国戦争」(50年6月〜53年7月)を、韓国の学校教育現場ではどう教えているのだろうか。
「朝鮮日報」の「専門記者コラム」(4月21日)からその一端をうかがうことができる。
「6・25戦争は国連軍が引き起こした戦争ではないのか?」。昨年連隊長に赴任した韓国陸軍大佐がある2等兵に「6・25戦争は誰が引き起こしたのか」と質問したのに対する返答だった。驚いた大佐は、さらに「どうしてそう思っているのか」と聞いたところ、「学校でそのように学んだ」と答えたので、いま一度びっくりしたという。
また、師団長を努めた陸軍の某将軍は「多くの兵士が『軍に入隊する前まで、6・25戦争の挑発者が誰なのか教えてくれる人がいなかった』と返答した」と伝えた。
以上は、同コラムからの引用である。「南北融和」を説くあまり、事実を正しく伝えることを怠っているようだ。歴史認識を誤らせるこのような「教育」は、問題ありといわざるを得ない。北韓の独裁政治体制、人権状況にも頬被りを決め込んだ「南北融和教育」は、必ずや将来に禍根を残すだろう。
ところで、日本の有力紙「日本経済新聞」は、「韓国特集」(2000年6月28日付夕刊)で「米軍を主軸とする国連軍の派遣で朝鮮戦争が起きた」ととんでもない「解説」をしながら、訂正を拒否。なぜか「縮刷版」でもそのままにしている。まったく解せない。(Y)
(2004.5.12 民団新聞)