掲載日 : [2004-05-12] 照会数 : 6164
<社説>「元気な支部作り」に力合わそう
民団の地方委員会と支部総会・大会を経て、全国民団の新年度が本格スタートしました。今年も各地方と支部で活動方針の柱に「ウリ支部ウリチャラン(わが支部の自慢)運動」が盛り込まれました。
団員と最も密着している支部こそ民団組織の基盤です。昨年から推進しているこの運動は、組織活性化の一環として開始されたもので、そのためにはこの基盤となる支部の「元気」が必要不可欠なのです。
2年目の「ウリチャラン」
2年目を迎える「ウリ支部ウリチャラン」ですが、初年度の昨年は「まずどのようなことをすべきなのか」と手探り状態の支部も多かったはずです。
高齢化に対応しようと、いち早くデイサービスやデイハウスなど福祉事業を手がけた支部が目立ちました。今年度は、福祉のほか文化、教育などの分野で「自慢の活動」を展開しようとする支部が見え始めています。
領事業務代行や役所の手続き・届け出をはじめ、生活相談、健康、結婚、仕事、高齢者、福祉、子ども、教育、文化、スポーツ、情報提供など、民団が団員にすべきサービスは数え切れないほどあります。世代も大きく変貌し、時代に見合った「21世紀型同胞組織」への変身が求められているのです。いわば、組織改革です。
全国の支部は約320を数えますが、昨年秋、全国の支団長が一堂に会して「全国支団長交流会」が開かれました。参加した支団長からは「帰化者を含めた幅広い同胞の受け入れ」や「後継者育成問題」、「本国よりも在日社会に目を向けるべき」という意見が出されました。
未来へひびきあう組織へ
民団では21世紀のキーワードとして平和、人権、教育、福祉の4つを掲げています。そして今年度、重点方針のひとつに組織改革推進を掲げました。
「在日同胞21世紀委員会」の提言をみつめ、①大幅な規約改正で機構整備②高度情報化時代に対応③グローバル化にらんだ組織に④組織機構スリム化で機能強化⑤ニーズにこたえて求心力強化⑥生活者団体への変貌―をめざしていくものです。
58年の歴史を歩んできた民団ですが、今大切なのは未来への明るい展望を切り開き、次の世代を担う子どもたちが夢と希望を持ちながらのびのびと成長し、大人になっても末永く「在日」として生きていきたいと願う同胞を支える民団を築いていくことなのです。
「未来・思いやり・信頼・ふれあい」をキーワードに、豊かな心を育てる在日教育の実現、地域に根ざした福祉の充実、文化・スポーツを通じた同胞ネットワークなど、「未来へひびきあう同胞の組織」実現のため、全国の支部は団員と一緒に考え、力を合わせながら、「21世紀型の民団」づくりをめざしていきましょう。
(2004.5.12 民団新聞)