コラム・特集 内容

 本団の創団記念日(10月3日)を前後して、全国各地で「10月のマダン」が盛況です。文化祭、体育祭、野遊会など各地域に居住する1世から4世まで幅広い世代の同胞が親睦と交流を図りました。

 また、「韓日国民交流年」にちなんで、日本市民とともに楽しむ韓日交流イベントも数多く見られました。その締めくくりの形で、11月20日から民団中央本部会館で初の文化祭「民団フェスティバル」が開かれます。

■若い世代へのメッセージ

 「語り継ごう在日を!」をメーンテーマに、在日の基盤をつくった1世と、それを引き継いだ2世から今後の世代である3・4世へのメッセージを込めたイベントです。

 写真展「在日の肖像―あの日あの時」と映画祭「日本映画に描かれた在日」の2つを企画しました。

 本団の専門委員会「在日同胞21世紀委員会」の「人・文化づくり部会」では、現在の「在日」の歴史を形成した乙巳条約から100年となる2005年に「在日100年フェスティバル」の開催を提言しました。今回の「民団フェスティバル」はそれを前にしたプレイベントなのです。

 写真展ではこれまでありがちだった組織的な歴史を紹介するだけでなく、「在日」が異国の地である日本に渡り、営々と生き抜いてきた生活史を中心に紹介しようと試みました。そして「渡日」「解放」「家族」「生活」の約80点が集められました。

■一人でも多くの観覧を

 また、映画祭では数多く「在日」について描いた作品の中から、「にあんちゃん」(59年)、「あれが港の灯だ」(61年)、「キューポラのある街」(62年)、「潤の街」(89年)、「月はどっちに出ている」(93年)の5本を上映します。

 どれも祖国解放後に作られた作品ですが時代の変遷の中で日本映画が「在日」をどう描いてきたのかを講演会とトークを交えながら検証します。

 2・3世たちの集まりである在日韓国青年会でも2年前、在日同胞のルーツを知るための「歴史を伝える運動」を展開しました。1世たちがどのような経路で渡日し定着していったかを各地域ごとに掘り起こして記録づくりを行ったのです。そこにも「在日のルーツを後世たちに残したい」との強い思いがありました。

 「共生社会」が叫ばれて久しいですが、まだまだ日本社会では「在日」についての理解が十分ではありません。「韓日国民交流年」の今年だからこそ、今回のイベントはあくまでも1世たちの「感傷のイベント」にするのではなく、若い世代たちに「在日」の生き様を知ってもらいたいのです。そのためにも一人でも多くの若い在日同胞世代と日本人市民が観覧してくれることを期待します。

(2002.11.06 民団新聞)

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