掲載日 : [2005-05-11] 照会数 : 5508
<コラム・布帳馬車>遠い新居への道のり
先日、引越し先を探すために不動産屋に行ったときのことだ。
はじめに自分が在日韓国人3世であることを伝えた。ぼくには生まれた時から本名しかない。だから名前を告げれば、日本人でないとすぐわかる。韓国籍でも断られない物件を紹介して欲しいとお願いし、何件か間取り図を出してもらった。
そのうちの一件が気に入ったので、審査を先に通してもらい、後日内見することになった。
内見前日に不動産屋から連絡が入り、審査が通らなかったことを知らされた。断られた理由をたずねると、韓国と日本の状況がよくないから大家さんが嫌がったとのことだった。
自分の存在と韓日関係がどうつながるのだろう。一体、何を審査したのだろうか。うすっぺらな紙に書いてある「国籍・韓国」、これしか見ていないとしか思えない。国と国との関係悪化が、個人にはねかえるのも許しがたいと思う。
次に紹介してもらった物件は外国籍でも入居可能だが、4つの条件を提示された。①外国人登録証明書を持っていること②就職していること③日本語が堪能なこと④保証人が日本国籍であること。
しかし、申込書を見ると「原則として保証人は必要ない」と書いてある。韓国籍は「原則」には当てはまらないのだ。
在日外国人が日常生活を送るうえで、不便なことはかなり減ってきてはいると思うが、もう少し何とかならないだろうか。(S)
(2005.05.11 民団新聞)