掲載日 : [2005-06-22] 照会数 : 6551
韓日市民共同制作…第1作「靖国」8・15完成へ
[ 「アンニョン・サヨナラ」の制作現場で ]
ドキュメンタリーで歴史清算呼びかけ
近隣諸国との間で歴史認識をめぐって争点の一つとなっている「靖国」を正面からとらえた韓・日共同ドキュメンタリー(同製作委員会)づくりが進んでいる。解放60周年の今年8月15日の完成を目指す。
タイトルは「アンニョン・サヨナラ」(同制作委員会)。「歴史の清算をきちんとし、友好の未来を築こう」との意味を込めた。韓日双方10人余りのスタッフによる共同プロジェクト。スタッフには韓国滞在中の在日同胞3世も参加している。
監督は韓国で南北に分断された民族の悲しみや苦しみなど、これまで主に社会的なテーマを手がけてきた金兌鎰さん。日本側スタッフは在韓軍人軍属らの日本での戦後補償裁判を支援している市民が中心となっている。
韓日間で昨年12月に制作プロジェクトが発足。今年に入って雪の千鳥ヶ淵戦没者墓苑で撮影を開始した。映画は家族の知らぬ間に父親を靖国に合祀されたことに抗議している韓国在住の遺族の証言を紹介する一方、〞右翼〟とされる日本人人士の反論も紹介するなどバランスをとった。
これについて日本側スタッフの一人、加藤久美子さんは「靖国については日本国内でもいろんな見方がある。反対だけでは問題解決につながらない。知られざる靖国の成り立ちやこれまでの歴史など、情報をありのままに提供し、戦争を知らない世代に靖国について考えるきっかけを提供したかった」と話している。
資金は韓国側が国内のドキュメンタリー基金の適用を申請し、ほぼメドはついたという。日本側は映画完成後、ビデオをプレゼントする特典付きで1口1万円の「サポーター」制度を採用している。サポーターはすでに100口を超えた。
制作委員会では採算がとれれば、シベリア抑留韓国人やBC級戦犯問題を扱ったドキュメンタリーの制作につなげていきたい考えだ。
制作委員会への連絡は℡090・1135・1488 古川さん。
(2005.06.22 民団新聞)