掲載日 : [2005-06-29] 照会数 : 6383
韓国と対馬、深まる人・文化的交流
[ 協定書を交わす長崎県教委の立石教育長(右)と陸総長 ]
長崎県教委…釜慶大と教育協定
対馬高の〞韓国学〟が後押し
【長崎】韓国に一番近い「国境の島」として知られる長崎県対馬市が、韓国との間で人的・文化的な交流を深めている。国家間では靖国神社や独島領有権、歴史教科書問題といった懸案を抱えているが、県の関係者は「こういうときだからこそ民間レベルの交流が大事」と意欲を燃やしている。
長崎県教委(立石暁教育長)は23日、長崎市内で韓国の国立釜慶大学(睦演洙総長)と教育交流協定を締結した。都道府県レベルで韓国の国立大学と教育交流を締結したのはこれが初めて。今回の協定締結で県立対馬高校の韓国との教育・文化面の交流はさらに促進されそうだ。
協定によれば、県は釜慶大学から同大推薦の韓国語講師1人を原則1年間招聘し、対馬高校に配置する。専門の韓国語教科担任の招聘は、対馬高校の韓国語教育のさらなる発展につながるものと期待されている。
対馬高校は普通科の科目を学びながら韓国の言語や歴史・文化について学ぶ「国際文化交流コース」を置く。今年で3年目に入った。来年には同コースから初の卒業生を送り出す。
対馬高は釜慶大のほか国立韓国海洋大学校、私立東亜大学校の3校にそれぞれ5人ほどの推薦枠を持っている。このうち釜慶大にはすでに6人が在籍している。来年の卒業予定者を対象にした進路調査の結果、10人が韓国国内の大学へ進学を希望しているだけに、県教委高校教育課の関係者は韓国への留学生はこれから一気に増えそうだと期待している。
協議書を交換した立石教育長は「本県の高校生に新たな夢をもたらし、韓国語教育の発展にもつながる」と謝意を表した。また、睦総長は「長崎県との教育の絆がいっそう深まることを期待する」と語った。
(2005.06.29 民団新聞)