掲載日 : [2005-07-13] 照会数 : 10581
アジア・ハイウエー 政府間協定が発効
[ 釜山からイスタンブールまで結ばれる(京釜高速道路) ]
[ イスタンブール ]
32ヵ国、14万キロを結ぶ
日本から韓国を経てトルコのイスタンブールに到るまでの55路線を連結する「アジア・ハイウエー」プロジェクトが国連主導で推進されている。その推進役が韓国人で、アジア32カ国、14万㌔に達する道路網を連結してアジアをひとつに結ぶ夢の実現に賭けている。
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南北交流も後押し
推進役は金学洙・ESCAP事務総長
アジア・ハイウエーは、東京↓ソウル↓平壌↓北京↓ハノイ↓プノンペン↓バンコク↓ヤンゴン↓ダッカ↓ニューデリー↓イスラマバード↓カブール↓テヘラン↓イスタンブールを連結する。トルコはEU道路網の一部なので、ここでアジアとEUが重なりあう。日本〜韓国間だけはフェリーで結ぶ。
道路網を結ぶ国家間協定は04年4月、32カ国が署名し、今年4月までに韓国、中国、日本、ミャンマー、スリランカ、ウズベキスタン、ベトナム、カンボジアが批准した。8カ国以上の批准により協定は90日後に発効した。
今月4日、タイ・バンコクのアジア太平洋経済社会理事会(ESCAP)本部で各国大使80余人が参加する中でアジア・ハイウエーの政府間協定の公式発効を記念する行事が催された。
すべての署名国は今後5年内に基準どおりに道路を整備し、表示板を設置することが義務づけられる。
国境の通過や連結など残された課題に関する協定調印は時間の問題と見られている。韓国の場合、道路規格はすでに満たしており、表示板を設置するだけだ。
アジア・ハイウエーのプロジェクトは道路問題だけでなく、「鉄のシルクロード」と呼ばれるアジア大陸横断鉄道を釜山まで連結し統合物流網を構築するという計画もあわせて推進される。
夢のハイウエー事業にチャレンジしているのが、国連の事務次長とESCAP事務総長を兼任している金学洙氏(67)だ。
2000年に国連ESCAP事務総長となり、07年の任期までに実現しようと全力で取り組んでいる。
仁川の松島に韓国最初の国連傘下機構であるアジア太平洋情報通信技術センター(APCITC)の誘致をはじめ、国連ESCAPプログラムの一環として02年からラオスやカンボジアで展開している「セマウル(新しい村)運動」などは金事務総長の発案に負うところが大きい。
金事務総長の最後の夢がアジア・ハイウエー。「アジアを網羅するインフラ・ネットワークはアジアの地域統合化を促進し、アジアとヨーロッパを連結するシルクロードのような役割を担うはずだ」と強調する。
(2005.07.13 民団新聞)