掲載日 : [2005-07-13] 照会数 : 14792
韓国の外国人参政権付与で「日・韓・在日ネット」が声明
共生社会への裏付け急ごう…近くシンポ開催へ
定住外国人の地方参政権を実現させる日・韓・在日ネット(共同代表=田中宏・内海愛子・朴慶南・金敬得の4氏)は、韓国で永住外国人に地方参政権を付与する法案が成立したことを受け、11日付で「韓国に続いて、日本でも地方参政権の実現を」と題した声明を発表した。
この声明は、韓国の英断に敬意と心からの歓迎を表明し、「『すべての者の民主主義』を確立するために、人権保障と社会参加システムを着実に構築している」と評価した。その上で、「日本に生活の根拠をおく定住外国人は、少なくとも130万人以上になる。私たちは今こそ、憎悪と敵意に満ちた排外性を拒否し、真の平和と、玄界灘をはさんだ和解、共生社会の実現を求める」と強調、日本政府・国会に「定住外国人の地方参政権をただちに実現すべきだ」と強く促した。
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声明の全文は次の通り
韓国に続いて、日本でも地方参政権の実現を
韓国国会は6月30日、公職選挙法改正案を可決し、永住資格を持つ19歳以上の外国人に地方選挙権を認めた。これによって韓国では、来年5月に実施される統一地方選挙において、在韓華僑をはじめとする定住外国人が一票を投じることができるようになった。
私たちは、韓国政府および韓国国会のこの英断に対して、敬意を表すると共に、心から歓迎する。
1970年代以降の熾烈な闘いによって民主化をかちとった韓国では今、歴史の真実を究明する困難な作業に着手すると共に、民主主義の果実を韓国社会の被差別者・マイノリティが享有できるように、国内人権機関として国家人権委員会を創設し(2001年)、住民投票における定住外国人の請求権・投票権を保障し(2004年)、さらに今回、投票資格年齢を20歳から19歳に引き下げると共に、永住外国人への地方選挙権付与を実現した。すなわち、「すべての者の民主主義」を確立するために、人権保障と社会参加システムを着実に構築しているのである。
一方、日本においては、戦前の侵略と植民地支配の歴史を直視しようとはせず、また国内人権機関も、定住外国人の地方参政権も、実現しようとはしていない。戦後60年、日韓条約締結から40年、日本がなさなければならない課題は明らかである。
いま日本には、200万人以上の外国人が暮らしている。そのうち、在日コリアンなど「特別永住者」が47万人、「永住者」が31万人、「定住者」が25万人、「日本人の配偶者等」が26万人、「永住者の配偶者等」1万人となり(2004年末・外国人登録者数)、日本に生活の本拠を置く定住外国人は、少なくても130万人以上になる。
私たちは今こそ、憎悪と敵意による排外性を拒否して、真の平和と、玄海灘をはさんだ和解、共生社会の実現を求める。
日本政府および国会は、定住外国人の地方参政権をただちに実現すべきである。
2005年7月11日
「定住外国人の地方参政権を実現させる日・韓・在日ネットワーク」
【共同代表】
田中 宏(龍谷大学教授)
内海愛子(恵泉女学園大学教授)
朴 慶 南(作家)
金 敬 得(J&K法律事務所代表)
(2005.07.13 民団新聞)