掲載日 : [2005-07-27] 照会数 : 6893
キムチネット協が発足…同胞業者をサポート
[ 会場を埋めた業者らは真剣に専門家の話に耳を傾けた=12日、韓国中央会館 ]![](../old/upload/42e7537a772ad.jpg)
会長に金永悦氏…全国から200人参加
手作りキムチの良さを広く知ってもらうとともに、在日同胞業者をサポートするための「キムチネット協議会(略称キムチネット)」の発足式が12日、東京・南麻布の韓国中央会館で行われ、初代会長に金永悦氏(52、オフィス東京代表)を選出した。シンポジウムではネットに期待する業者の声が相次いだ。
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発足式には、福島や大阪のキムチ製造・販売業50社をはじめ関係者200人余りが参加した。
民団中央の呂健二副団長は主催者を代表して「昔から『医食同源』と言われてきた。韓国食文化を代表するキムチで、豊かな同胞社会作りに貢献してほしい」と激励した。
三星経済研究所の閔勝奎首席研究員は「現代社会ではネットワーク化がきわめて重要で、キムチのネット化は韓国にもないだけに在日同胞の素晴らしい発想に期待が大きい」と評価した。
準備室担当者から経過報告が行われ、すでに開設されたキムチネットのホームページ(http://kimchi.jangsa.org)に200店ほど紹介しており、キムチネットに続いて、在日同胞と関連した業種のネットを順次構築し、全業種を網羅する「KJ生活ネット」を完成させる計画であることが説明された。
金永悦会長は「良い製品を作りながらもPR不足のため販売に苦労している同胞業者にとってキムチネットは大きな助っ人になるはず。韓国食文化に関心のある一般の人にハイクォリティー食品としてのキムチのイメージを広めていきたい」と抱負を語った。諮問委員として、滋賀県立大学の鄭大聲名誉教授、「焼肉文化」の朴健市代表、三井物産食品流通部の澤合昌三主事、農水産物流通公社東京農業貿易館の金鎭永館長がそれぞれ金会長から委嘱された。
なお、韓国食文化の普及・発展のため40年間尽力し、先日、57歳で他界した姜恩順女史(第一物産社長)の功績に対して民団から感謝状が贈られ、長女の黄恵蘭さんが受け取った。
2部のシンポでは、建国大学の康淳我教授が「発酵キムチにおける塩辛の機能と役割」というテーマで基調講演を行い、「キムチは塩漬けした白菜にさまざまな薬味を加えた発酵食品。総合健康食で、ガンや動脈硬化の予防をはじめ体重減量、皮膚老化抑制、精力・活力増進、免疫力強化、便秘予防、コレステロール減少など、あらゆる効果が証明されている」と説明し、「キムチネットを通じて日本の皆さんにどんどん紹介するとともに、在日経済にも役立ててほしい」とネットに期待を寄せた。
「手作り業者の販売戦略」をテーマにした座談会では、朴健市氏の進行により、「食文化はその国の人々の智恵の結晶だ。キムチが発酵健康食品であることを広く知らせる宣伝戦略が必要」(鄭教授)、「高級食というイメージアップが急先務。ホテル、ゴルフ場などの上流層を攻略するマーケッティングもいい」(金会長)、「顧客のニーズに応えるサービスの開発が必要。これから生き残るためには高くても高級を目指すか、極端に安い製品を作ること」(澤合主事)、「顧客に自信を持って勧められるマイキムチがあれば良い。通信販売も売り上げを伸ばす方法なのでキムチネットを積極的に活用すべきだ」(朴和生・名峰社長)など、さまざまなノウハウが紹介された。
最後にそれぞれの店から提供されたキムチを試食しながら懇親会を行った。
キムチネット発足式の模様は、12日夕方5時のテレビ東京「速ホウ!」で一部紹介された。
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参加者の声
大いに勉強できた
◇尹静子さん(63、横浜、「ユウおばさんチヂミ」経営)=シンポはとても良かった。零細業者として値段の設定とか仕入れの方法に悩みが多いが、パネリストのお陰で多くの勉強ができた。私も「ユウおばさん」をブランド化したいので、キムチネットを大いに活用したい。
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ぜひ共同仕入れを
◇安俊亨さん(44、東京、「韓国食品24時」経営)=会員相互の情報交流・共同仕入れ・共同販売などのシステムが定着すればものすごい力が発揮できると思う。多くの人に参加してもらうためにも、会員のビジネスと関連した法律相談、税務相談などもサポートして欲しい。
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優れた食品に自信
◇白恩和さん(50、埼玉)=キムチに関する勉強がたくさんできた。発酵食品であるキムチがこれほど健康に良い多機能食品だとは思わなかった。9月に韓国家庭料理店をオープンする予定なので、自信と誇りを持ってスタートできる。キムチネットとは長いおつき合いをしたい。
(2005.07.27 民団新聞)