掲載日 : [2005-08-15] 照会数 : 9393
<光復節60周年>衆院…戦後60年決議採択
「深く反省」するも文言後退
日本・衆院は2日の本会議で、「わが国の過去の一時期の行為がアジアをはじめとする他国民に与えた多大な苦難を深く反省」するとし、政府に「核兵器の廃棄、あらゆる戦争の回避、世界連邦の実現」などへの努力を促す「戦後60周年決議」を採択した。共産党を除く自民、民主、公明、社民4党の多数が賛成した。
10年前の「歴史を教訓に平和への決議を新たにする決議」(「戦後50年決議」)や「村山談話」に盛られた「植民地支配」や「侵略行為」などの文言はなく、その代わりに
「50年決議」を「想起し」の文言が入った。
共産党は「50年決議」より反省の態度が後退したとして反発、逆に自民、民主の数人が「50年決議」を「想起し」が入ったことに抗議して棄権・欠席した。
「村山談話」の実体化緊要
《解説》10年前は村山富市政権下にあり、自民、社会、さきがけ3党が与党。決議はその与党からも大量の欠席者が出て、賛成者は衆院議席の過半数にも達しない惨憺たるものだった。
今回は河野洋平衆院議長の指示で実現したもので、賛同議員は大幅に増えた。その点を一歩前進と見るか、内容面での後退を重視するかで評価は分かれる。
日本の歴史認識が厳しく問われるたびに、日本政府首脳は「村山談話」などを弁明の材料にしてきた。しかし、その一方で「決議」や「談話」を反古、空洞化させる言動を許容してきた。それがさらに反発を強め、韓中両国の首脳からは「言葉より実質で示せ」と迫られてきた。
今回の決議は、韓中両国からの直接的な圧力があってのものではない。戦後60年の節目に際して、悪化した近隣諸国との関係を自らほぐす狙いがあるならば、言葉を実体化する努力を国会から示すべきだ。
(2005.08.15 民団新聞)