コラム・特集 内容

 最近の北韓がらみのニュース報道は、われわれ在日同胞を滅入らせる、憂鬱にさせるものばかりです。日本のマスコミ−新聞、テレビ、週刊誌などが連日(毎週)、日本人拉致問題を大きく取り上げているところに、北韓の「核開発継続」判明が加わり、北韓当局の「無法」ぶりと「居直り」の異常さが一層強く印象付けられています。

■400万人〞餓死〟の恐れも

 しかも、北韓に対する食糧支援を主要国が停止し、北韓の食糧事情が急速に悪化しつつあると伝えられています。世界食糧計画(WFP)によると、650万人が飢えており、来年にかけて400万人の子どもが餓死する恐れもあるといいます。各国の援助停止は、援助食糧の配分をめぐる疑念に加えて北韓の核開発が判明したためです。

 国連の人道支援調整局(OCHA)も、18日発表の報告書で「北韓の核開発計画が来年北韓に提供される人道支援の性格と規模に相当な影響を及ぼすだろう」と予測しています。ちなみに、北韓が今年外国から受けた食糧援助など人道的支援の総額は約1億8811万㌦で、このうち、韓国の支援額は6550万㌦(34・82%)で最も多かった。

 「北韓の核開発の最大の犠牲者は北韓の子どもたちだ」。韓国の代表的な対北支援非政府組織(NGO)の韓民族福祉財団などと、従来対北支援に否定的立場をとってきた韓国自由総連盟が共同主催する「2003北韓子ども支援運動発足式」が19日ソウルでもたれました。「特に厳しく寒いこの冬を北韓の子どもたちが無事に越せるよう愛の手をさしのべよう。子どもたちを支援することは、結局われわれの未来を培うことだ」との思いからです。

■「核」が人道的支援の障害に

 その一方、これまで人道的次元から対北民間支援事業を主導してきた経済正義実践市民連合、わが民族相互助け合い運動など韓国の市民団体の指導者ら41人は20日、「韓半島の平和を脅かす」北韓の核開発放棄を促すと同時に、対北支援は使用内訳の透明性が保証されてこそ継続可能だ、との声明を発表するに至りました。

 韓半島の北側住民の方が南側住民に比して相対的に体格も大きく頑丈な骨格を有しているといわれていた。ところが今日、特権階層や特恵身分のものたちを除き、北韓の一般住民は慢性的な飢えと栄養失調のために体格も悪くやせ細り、小さくなったようにみえます。なんとかしなければならない、支援したいと韓国国民は誰しもが強く思っていることでしょう。在日同胞とてその思いは同じです。

 だが、核開発推進に象徴される北韓当局の「瀬戸際外交」が最大の障害となっています。北韓指導者は、これ以上、北韓住民を犠牲にし、しかも民族全体を再び戦争の脅威にさらしてはなりません。速やかに核開発を放棄し、南北間信頼関係構築と韓半島平和定着・制度化に全力を注ぐべきです。00年の南北首脳会談(「6・15南北共同宣言」)は、いったい何だったのか厳しく問われています。

(2002.11.27 民団新聞)

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