掲載日 : [2005-08-17] 照会数 : 7192
清渓川効果まざまざ…〞潤いづくり〟海外も注視
[ ソウル市民の憩いの場となる清渓川は10月1日に通水する ]
人心もヒートアイランドも冷却
高架道路を撤去して復元工事が10月1日に完了する清溪川。再び水が流れれば、ソウル都市部のヒートアイランド現象を緩和し、河川周辺が涼しくなるという調査結果が出た。心をいやす都会のクールダウンをソウル市民は待ちわびている。
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清溪川はかつて、ソウル中心部を西から東に流れ、中浪川を経て漢江に合流した。わずか11㌔の川は市民の川として親しまれてきたが、50年代後半、近代化のシンボルとして埋め立てられ、高架道路に変わった。ところが、02年にソウル市長選に立候補した李明博氏は、経済発展一辺倒の姿勢を反省し潤いのある街作りとして清溪川の復元を公約にかかげ、当選後、行動を起こした。
今年6月初め、清溪川の通水実験を通じて一部で40年ぶりに水が流れ、ソウル市民を感激させた。10月に完工し、約6㌔の区間が自然河川に戻れば、市民の憩いの場となる。
ソウル市政開発研究院(市政研)は清溪川完成を前に周辺との気温比較を調査したところ、清溪川周辺の気温は近隣都心部より平均3〜4度下がるという結果が出た。
7月下旬、清溪8街周辺10カ所と近くの新設洞10カ所を測定した結果、清溪が平均摂氏32・7度だったのに対し、新設洞は36・3度だった。とくに、水が流れている所の気温は27・7度で、新設洞より9度も低かった。このため、10月に清溪川が全面開通すれば、ヒートアイランド現象をかなり緩和し、ソウル都市部の気温を下げると期待される。
市政研は、清溪川に水が流れれば気温は最大10〜13%低下すると分析している。気温が30度であれば、3〜4度は下がることになる。関係者によると、高架を取り払う前の清溪川一帯の平均気温はソウル全体の平均より5度以上も高かったという。高架の撤去で風通しがよくなり、水が流れれば気温はさらに下がる見通しだ。
今後、清溪川沿いに植えた水生植物や街路樹が成長すれば、緑地空間がますます広がり、ヒートアイランド現象はさらに緩和されると予想される。清渓川の復元をきっかけに、ソウル全体の風や水とともに生きる環境都市としての再生が図られる。
清溪川の復元は日本など海外からも注目されており、ソウル市は清溪川を観光名所にする計画だ。10月1〜3日の完成記念行事では、衣類や書籍が安く購入できる「清溪川ビッグセール」を催すほか、芸能人による「韓日中フェスティバル」も行われる。
(2005.08.17 民団新聞)