掲載日 : [2005-08-31] 照会数 : 8587
生野区住民検診に初の〞在日枠〟
[ 民団生野4支部の呼びかけを受けて受診する同胞ら ]
受診170人 大幅に増加
地元民団と総連支部が協力…同胞青年が通訳に奔走
【大阪】大阪市生野区保健センターは24日、民団生野東・西・南・北4支部の協力を得て在日同胞を主な対象とした「市民健康診断・がん検診」を通称「コリアタウン」に隣接する大阪市立御幸森小学校体育館で実施した。受診者はこの日だけで87人に上り、在日高齢者の検診率の低さに悩んでいた区役所職員はほっと胸をなで下ろしていた。
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市民健康診断は生活習慣病の早期発見・早期治療が目的。生野区保健福祉センターでは毎年、大阪市内298の小学校を巡回して実施している。一部のがん検診などを除いては無料だが、これまで在日同胞が検診を受ける例はごくまれだったという。今年初めて在日同胞の検診枠を予算化し、民団と総連支部の協力を仰いだところ、受診者は計170人に上った。
24日は通称「コリアタウン」に隣接する御幸森小学校で行われ、87人が受診した。受付には民団生野地協青年会と総連支部の青年らが一緒に座り、日本語の不自由なお年寄りにはウリマルで応対し、好評だった。
病歴・症状、食生活などの問診が終わると検尿へ。体育館では医師と看護師ら50人が待機し、血圧や心電図の測定、各種の検診にあたった。一角では健康維持のための講座なども行われた。
検診を終えたオモニたちは「チラシをいただいたときは面倒だなと思ったけど、民団からだったのでとにかく来ました。検診はこれが初めて。検診を受ける大切さがよくわかりました。この事業は継続してほしい」という。
別の男性は「仕事の合間を見つけてきた。何もなければ安心するし、これから1年に1回ぐらい受けてみようと思う」と話していた。
民団生野東支部の文熙元支団長は「民団の呼びかけなら参加してみようという人が多かった。在日のために行政が予算を組んでくれたのも画期的だった。これからも生野区の同胞が暮らしやすい街にするため、総連支部と一体になって区役所に働きかけていきたい」と語った。
なお、御幸森小学校に先立って大阪朝鮮学園生野朝鮮初級学校で6月に行われた検診にも80人余りが参加した。民団生野地協青年会からも金泰勲会長ら4人が手伝いに訪れ、一緒に会場を案内した。
(2005.08.31 民団新聞)