掲載日 : [2005-10-19] 照会数 : 8477
在日への共感広げて…ソウルの民団写真展 閉幕
[ 写真展「嗚呼!在日同胞」には5000人を超す人々が訪れ、絆を確認した=ソウル・プレスセンター ]
「共に未来築こう」参観者エール
【ソウル】5日からソウル・プレスセンターで開催されていた写真展「嗚呼!在日同胞」が15日、幕を下ろした。5000人を上回る人々が足を運んだ。民団が韓国で初めて開催した写真展は、在日同胞の生き様を率直に伝えることで、本国の人々にさまざまな感動を与えたようだ。民団創立60周年を1年後に控え、在日同胞と本国との絆を確認する貴重な場になった。
民団60年の足跡をたどる第1展示室と、「在日100年」の歴史を映す第2展示室には、合わせて200点が展示された。貴重な写真の数々とその説明文に、多くの参観者が感慨深げに足を止めた。担当者に温かい声をかけ、感想文を記してくれた人も少なくない。
64歳の牧師は、「在日同胞はいろいろな困難を乗り越え頑張ってきた。そのひたむきさに感動した。この生きた事実を踏まえ、民族の無限な潜在力と優秀さをさらに開発、発展させていこう」との声を寄せた。
48歳の自営業者(男性)は、「今日まで大変ご苦労されたと思う。異国の制圧に苦しんだ民族が笑顔で暮らせる時がきている。それは在日のみなさんが堪え忍んで、一生懸命努力し国を愛してくれたおかげだ。残されたものはあと一つ、統一だ。その日が来るまでがんばろう」と語った。
また、6・25韓国戦争に従軍した76歳の男性は、「祖国のためなら献身的に努力する忠誠心、在日学徒義勇軍への慰問品をつくり、負傷したUN軍兵士を慰問する在日大韓婦人会の国を愛する姿に感動した」と述べた。
写真展の参観者は、世代を超えていたが、在日同胞をよく知らない若い世代にも、鮮烈な印象を与えたようだ。
「解放前後の写真にとくに目がいった。この写真展は意義深い経験をさせてくれた。在日同胞や民団の歴史を知ることができてよかった」(24歳・女性・大学生)、「在日同胞についてまったく知らなかった自分が恥ずかしい。無知な私に歴史と民族愛を芽生えさせてくれて感謝する」(22歳・女性・大学生)、「民団の足跡が分かった。次回は生活用品、映像なども展示してほしい」(38歳・男性・大学院生)などの感想が寄せられた。
「写真を見ていてアボジを思い出した」と語る42歳のマスコミ関係者(男性)は、「在日同胞に対する認識に大きな助けとなった。厳しい時代、祖国を失い、辛い困難を克服し、現在の位置までのぼりつめた同胞を考えると、二度と祖国を失ってはいけないと痛感した。政府はとくに、日本と中国の同胞たちと交流の場を設けなければいけない」と主張し、「ソウルオリンピック時に、在日同胞が巨額の募金活動をしたことも分かった。民団に対し心から拍手する」とエールを送ってくれた。
詩人と自己紹介した男性は、「今や、祖国に貢献した在日同胞の1世世代はさほど多くない。歴史を途切れさせることなく、1世と同じく2世3世がいつまでも祖国を忘れずにいることを強く願う」と希望を託した。
「写真すべてが感動的だった」と記した中年の教師(男性)は、異国の地で挫折しないで韓国人として生きてこられたみなさんにたくさんの力をいただいた。祖国の困難にも一緒になって頑張ってくれ、日本国内でも同胞の相互扶助に尽くす民団は素晴らしい」と感想文を結んだ。
(2005.10.19 民団新聞)