掲載日 : [2005-10-26] 照会数 : 7476
追悼の舞台…尹奉吉義士の足跡
[ 「熱り」の舞台。金沢での公演は尹奉吉の埋葬の日に合わせた ]
追悼の舞台…尹奉吉義士の足跡 ソウル・東京・金沢で
25歳の若さで銃殺刑に処された韓国の独立運動家、尹奉吉義士の足跡を描いた平石耕一事務所による演劇「熱り(ほとぼり)」(作・演出=平石耕一)が12月、ソウル、東京、金沢の3会場で上演される。この公演は昨年5月、東京・両国での初演に続くもの。再演となる今回は、金沢公演では尹奉吉義士が銃殺され、暗葬された同じ日に合わせて上演する。
尹奉吉義士は植民地時代の1932年、天長節(天皇誕生日)と上海事変の戦勝祝賀式典が開かれていた上海虹口公園で爆弾を投げ、軍首脳部、外交官らを死傷させた。同年5月に上海派遣軍軍法会議で死刑を宣告される。身柄は大阪から金沢に移され同年12月19日、三小牛山で銃殺され、野田山の陸軍墓地参道に暗葬された。遺体は戦後46年に在日同胞によって発掘され、ソウルで葬儀が行われたのち、国立孝昌墓地公園に埋葬された。
尹奉吉は韓国では「義士」であり、日本では「テロリスト」だ。今回の金沢公演について平石さんは、「尹奉吉をテロリストとして見る側から、義士として見る側に目を移し、当時の日本を見て、そして現代日本を見据える、その行為を通して歴史を知ることになる。金沢で公演するのは、『暗葬』を『埋葬』に変えたいから」と話す。
〈ソウル公演〉12月9日〜11日=文化日報ホール〈東京公演〉16日15時、19時=板橋区立文化会館小ホール。一般4000円ほか。問い合わせは平石耕一事務所(℡03・3554・3677)〈金沢公演〉19日19時=石川県立音楽堂・邦楽ホール。一般3500円ほか。問い合わせは実行委員会(℡076・274・2386)。
(2005.10.26 民団新聞)