掲載日 : [2005-10-26] 照会数 : 8394
ハンセン病 旧植民地訴訟…韓国人に不当判決
東京地裁、補償請求認めず
韓国の入所者について審理した民事3部(鶴岡稔彦裁判長)は「該当しない」として請求を棄却。台湾の入所者については民事38部(菅野博之裁判長)が「対象に含まれる」と判断し、補償金を支給しないとした厚労相の決定を取り消した。同質の訴訟であるにもかかわらず結論は分かれ、韓国人原告団(国立小鹿島病院の117人)には「不当判決」、台湾原告団(楽生療養院の25人)には「勝訴」となった。
韓国人入所者の判決結果を受けて、民団中央の李鐘太民生局長は抗議の談話を発表した。要旨は次の通り。
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民生局長 抗議談話「立法の精神貶めた」
日本が植民地統治下の韓国と台湾に設置した療養所に入所させられていた元患者が、「ハンセン病補償法に基づく補償の請求を日本政府が棄却したのは違法だ」として、厚生労働相に処分の取り消しを求めていた二つの行政訴訟の判決が25日、東京地裁であり、韓国原告団に不当判決が下った。
ハンセン病補償法の目的は、絶対隔離という日本の施策が患者であった人々に想像を絶する恥辱と苦痛を与えた歴史を反省し、その精神的損害を慰謝するところにある。補償の対象は当然、過去に一度でも日本の同施策が及んだ地域の人々すべてでなければならない。民事38部の判決が当然であり、同3部の判決は補償法の精神を貶める不当極まるものである。韓国人原告団は38部判決に意を強くし、控訴を通じて正当な判決を勝ち取るまで一歩も引かない決意であると確信する。
日本国が司法判断が分かれたことをもって、解決を引き延ばすようであれば、原告らの平均年齢が80歳を超えていることからも、言語道断と言わざるを得ない。国会は補償法の立法原点に返り、韓国、台湾の両施設入所者が補償の対象に含まれるよう明示すべきであり、厚労省は民事38部の判決に対する控訴を断念し、確定させなければならない。
(2005.10.26 民団新聞)