掲載日 : [2005-11-09] 照会数 : 7729
鎮魂と友好の祈り…沖縄で同胞犠牲者慰霊祭
[ 慰霊塔建立30年で、1万1000人の同胞犠牲者を追悼する金中央団長=10月29日、糸満市摩文仁 ]
【沖縄】第2次大戦末期の沖縄戦によって死亡した韓国人犠牲者の慰霊祭が10月29日、民団沖縄県本部と沖縄県日韓親善協会(浜本栄吉会長)の共催で、糸満市摩文仁にある韓国人慰霊塔前広場で厳かに行われた。この慰霊塔は75年9月に建立されたもので、約1万1千の同胞犠牲者を祀っている。
会場には地元の同胞22人と日本人ら合わせて約80人が参加した。日本人青年団の若者らがテント張りやマイクなどの音響設備の準備を手伝うなど、この日の行事を支えた。
浜本会長は慰霊塔が建立されて30年目を迎える今年、民団とともに慰霊祭が行われた意義を特に強調した。これに対して、民団中央本部の金宰淑団長は、この間の親善協会の尽力に感謝の意を表し、「この慰霊塔は韓日両国民の友好のシンボルである」と、慰霊祭の継続開催と民団として今後も積極的に参与することを約束した。
日本人で構成される沖縄県遺族連合会の座喜味会長は、毎年この慰霊祭に参加していると語りながら、「犠牲になられた方が日本人であれ、韓国人、台湾人であれ、心の痛みはみんな同じだ」と遺族の立場から戦争の悲惨さを訴えるとともに、戦争被害を風化させないためにも慰霊祭継続の必要性を訴えた。
ほかにも地元自治体の糸満市から助役が参加するなど、日本各界からの参加が目立つ慰霊祭となった。
(2005.11.09 民団新聞)