掲載日 : [2005-11-09] 照会数 : 9645
ソウル 記念研修も…民団幹部 統一へ決意新た
[ 都羅山駅でソウルへ56㌔、平壌へ205㌔の表示をかみしめる民団の研修参加者=11月2日 ]![](../old/upload/437192a3c53be.jpg)
【ソウル】朝鮮総連傘下同胞の墓参団事業が30周年を迎え、これを記念する統一問題研修会が10月31日から11月2日まで、全国の民団幹部ら70人を集めてソウルの統一教育院で開かれた。研修では南北和解、同胞和合の先鞭をつけた歴史的な意義を再確認し、平和統一に在日同胞の立場から積極参与する決意を新たにした。
2年ぶりに民団幹部らを迎えた申彦祥院長は、「過去15年間で8万1千人にすぎなかった南北の人的交流は、今年だけで6万7千人に達した。このような太陽政策の効果は、北に市場経済導入などの変化をもたらし、経済の次は社会、住民意識の変化へと続いていく。主体性をもって北の転換を促そう」と強調した。 これに対して、金宰淑団長は「墓参団事業が30周年を迎える節目に、意義深い事業に功労のあった幹部らとともに研修を受けるのは感慨無量だ。自由民主主義を土台に、本国に歩調を合わせて平和統一国家への道を前進しよう」と応えた。
講義後は母国訪問団に参加した総連同胞15人と晩餐会に出席。この席で母国訪問事業を牽引した趙一済・元駐日公使が、同事業に功労のあった組織幹部ら25人に感謝状を贈った。
前線地帯の視察ではまず、北韓が韓国に侵入しようと掘った第3トンネルを訪ねた。74年の第1、75年の第2トンネルに続き、78年に発見されたこのトンネルは、ソウルから52㌔地点で、完全武装の兵士3万人が1時間以内に侵入ができるというもの。「南侵破壊工作にかけるエネルギーを国の発展につぎ込んでいれば、北は経済破綻など今日の問題を引き起こさなかっただろうに…」と福岡県本部の崔峯圭事務局長は語った。
「分断の終わりが統一の始まり」と大書された都羅山展望台で、新潟支部の金葵生前議長は、「墓参団の引率で何度も来たが、北韓の大地が見えるところまで来たのは初めてだ。あいにく霧のために開城は見ることができなかったが、韓国の発展ぶりと比べると北の悲惨な現実に胸がつまる。早く統一を達成しなければ」と声をつまらせた。
韓国側が行くことのできる非武装地帯内南側限界線から約700㍍に位置し、ソウルまで56㌔、平壌まで205㌔との表示がある都羅山駅にも、参加者一同は複雑な面持ちで降り立った。青年会時代を含めると4回目の研修になった広島県本部の丁基和事務局長は、「この線路がやがて平壌まで続くと思うと統一への期待が膨らむ。統一にかける韓国の気持ちの強さの象徴だ」と力を込めた。
(2005.11.09 民団新聞)