掲載日 : [2005-11-16] 照会数 : 7934
関東大震災慰霊碑建立へ 民団東京
[ 韓民団墨田支団長 ]
韓斗現推進委員長に聞く
民団東京本部(李時香団長)は1923年の関東大震災の際、「朝鮮人が暴動を起こしている」などという流言が虐殺につながった事実を記録し、犠牲同胞を悼む碑の建立を進めている。このほど建立推進委員長に就任した韓斗現民団墨田支団長に今後の取り組みについて聞いた。
虐殺風化させない…2年以内の建立目標に
−−いま、なぜ慰霊碑なのか。
関東地区21カ所にある震災関連の碑をすべて調べた。神奈川と千葉の民団が建てたものを除き、ほとんど日本人が建てたものだ。しかも、碑文に「虐殺」の文字はなく、日本国家の責任はあいまいにされたまま。真相究明もなされていない。乙巳条約の締結から100年を迎えるにあたって正しい歴史を伝える必要を痛感した。
−−建立予定地は決まったのか。
虐殺現場の一つである荒川河川敷にという意見もあるが、慰霊の花を植えても警告を受けるほどだ。許可される見通しは百%ない。市民の目に止まり、在日が気軽に立ち寄れる場所が望ましい。有力候補地は韓国中央会館のある麻布周辺の寺だが、檀家の理解を得られるのかどうか。第2は震災慰霊堂のある墨田区横網が上がっている。
−−今後のスケジュールを教えてほしい。
12月には横網公園内の碑を視察に行く。来年9月1日の同胞犠牲者追念式には候補地を報告したい。建立は今後2年以内を目標としているが、なるべく早く。可能であれば創団60周年の来年にも着工できればと願っている。スタッフは各支部支団長や常任顧問など6人だが、これを最終的に10人に増やしていきたい。
−−碑建立で期待していることは。
碑を建てて終わりなのではない。建てた後が問題なのだ。私たちの子どもや孫の世代にありのままの歴史事実を知らせていきたい。日本の人たちと歴史認識の共有を図れる場にもと願っている。理想をいえば韓日両国民の連名で建てることだ。予算は1000万円から2000万円の範囲内。1人でも多くの同胞たちの理解と協力をお願いしたい。
(2005.11.16 民団新聞)