掲載日 : [2005-11-16] 照会数 : 6821
韓日乙巳条約の締結交渉時…憲兵が威圧した
米公使 日本の強要ぶり報告
乙巳保護条約の強制締結から100年を5日後に控えた12日、東京都千代田区の中央大駿河台記念館で開かれた乙巳条約に関するシンポジウムで、条約の不当性を浮き彫りにする米国の公式文書の存在が荒井信一・駿河台大名誉教授によって明らかにされた。
その文書は締結交渉当時の駐韓米国公使が1905年11月20日付で国務長官に送ったもので、「憲兵らは表向き伊藤(博文=特派大使)らの警護のために配置されたが、韓国皇帝に日本の要求を拒むことは不適当だと思わせるためにも使われた」と記し、2日間にわたったソウルでの日本軍の示威行動にも触れ、人々に同様の恐怖感を与えたことを微妙な言い回しながら指摘した。
文書は公使自らの目撃談と言うべきもので、交渉会場の周囲を憲兵が固めている模様などを具体的に描いている。この条約が武力で脅しての強制締結であったことは常識だ。だが、「国際法順守の優等生」たろうとした日本は巧妙にカモフラージュし、列強諸国に合法性を演出した。
国の代表に強要した条約は無効との説は当時からあり、公文書はその点で大きな一石を投じた。5年後の併合条約の基礎を築いた乙巳条約の不当性をめぐる論議は熱を帯びそうだ。
(2005.11.16 民団新聞)