掲載日 : [2005-11-30] 照会数 : 8754
駐日韓国大使館の金洪禹農務官に聞く
[ 金洪禹農務官 ]
評価さらに高まるキムチ
安全で栄養豊かな食品…騒動を契機に点検徹底化も
厚生労働省は今月14日、韓国及び中国からの輸入キムチに対する検査を強化し157件を調査した結果、すべて陰性であると判明したことを明らかにした。
近年、日本でも、韓国でも、食品に対する国民の不安は大きく、ややもすればマスコミの情報が独り歩きするケースがあり、今回も同じだ。それだけ安全な食品への関心が高く、今回の厚生省の判定で関係者は安心したと思う。
現在、世界最大の関心事は鳥インフルエンザであるが、米国では「キムチが鳥インフルエンザの予防に効果がある」との報道が相次ぎ、キムチに対する注目が集まっている。
韓国の輸出用キムチはとりわけ厳しい製造工程を経て作られる。作業場に入るときは医者が手術室に入るようにゴム手袋をつけ作業着を着てから衛生クリーナー、洗浄を行う。白菜も振動コンベヤーで異物を除去するなど品質管理には万全の体制をとっている。日本から多数のバイヤーが現地工場を訪れ、安全面を確認している。
70歳の最高齢で世界最高峰のエベレストに登頂した三浦雄一郎さんは「キムチがパワーの源」と語っており、昨年開催されたアテネ五輪の選手村食堂ではキムチが大人気だった。こうしたキムチに関するエピソードは数知れない。
長い歴史をもつキムチだが、これが原因で食中毒を起こした話を聞いたことがない。逆にキムチの効用を指摘する人は多い。キムチはさまざまな野菜や薬味を材料にして作られ、種類は200近くにのぼるといわれるが、どれも安全な食品で栄養豊かだ。ビタミンがたっぷりで乳酸醗酵、低カロリーのため健康はもちろん、美容やダイエットにも効果がある。
今回の騒動を契機に韓国では生産から流通まで全過程で改めて点検が行われ、安全性はさらに増したので安心して食べられると確信している。
(2005.11.30 民団新聞)