掲載日 : [2005-12-21] 照会数 : 7388
<各地の民団>同胞の情愛分かち合う
[ 目の不自由な李茂男さんを励ます八尾支部の任龍鶴支団長(右) ]
歳末慰問活発に 独居老人励まし
寒さがいちだんと身にしみるようになってきた。この時期、高齢で独り暮らしだったり、病院や特養ホームのベッドで不遇をかこつ同胞はどんな思いで歳末を過ごしているのだろうか。訪ねていって同胞の情愛を分かち合いたいと、各地の民団が、今年も活発に家庭訪問などを展開している。
北海道本部(金泰勲団長)は2日間かけて札幌直轄地区管内の団員家庭25軒を回った。車にはお米、韓国のり、トック、和牛ヒレ肉、ジンギスカン、コチュジャン、キムチ、豚足など満載した。肉や惣菜類は同胞企業からの協賛だ。協賛を呼びかける今年初の試みに、予想を上回る品数が寄せられたという。
慰問にあたっては今年から3班に分かれた。これは各家庭で30分余りかけてじっくり話を聞くため。要介護家庭では冷蔵庫への収納まで請け負うなど、真心のこもった訪問となった。
各地で共通して訪問対象となったのは、高齢者や独居老人、生活保護家庭などだ。大阪本部(金昌植団長)は毛布計103枚を各支部を経由して配った。八尾支部では任龍鶴支団長が19日、目の不自由な李茂男さん(63)に届けた。李さんは「支部にいつもよくしてもらい、うれしい限りです」と語った。
愛知本部(梁東一団長)でも93人に新米5㌔と金一封を届けた。宮城本部(金善龍団長)はお米、岩手本部ではトックに金一封を添えた。長崎本部(尹明徳団長)は一昨年、ベストを贈った。昨年、再訪したところ、そのベストを着用して迎えてくれたという。今年は何にするか検討中。
変わっているのは、お米に加えて婦人会の手作りキムチを添えた静岡本部(姜在慶団長)だ。金勇事務局長は「私たちの訪問を喜び、不自由な足腰の力を振り絞って満面の笑顔で迎え入れてくれた。慰問の大切さをあらためて実感した」と述懐している。
歳末慰問は団員が民団との絆を再確認する機会でもある。茨木・県北支部の金鉉弘支団長は「元気ですかと声をかけ、顔を合わせれば、健康状態も確認できる。お米も持っていくけれど、これはついで」という。山形本部(権純福団長)の朱帝圭事務局長も「民団組織の基本は団員と顔を合わせること」と強調する。歳末はカレンダーと韓国のりを持参するが、それ以外でも通年で2,3回は県内を回るという。
とはいえ広域で過疎の県内に70世帯が散在するだけに、全世帯を回るのには1週間余りかかる。朱事務局長は「民団で行事があっても、体が悪くて出てこられない人も多い。そんな人はとても心待ちにしてくれている。訪ねることが大事」と念を押す。
(2005.12.21 民団新聞)