掲載日 : [2006-01-01] 照会数 : 8077
韓日会談文書 日本政府に公開要求
市民団体 不開示なら提訴も
日本の市民団体が、日本政府に65年の韓日国交正常化に至る外交文書の全面公開を求め、今春から本格的な運動を展開していく。韓国政府は、昨年1月と8月の2回に分け、計161点の韓日会談関連文書の全面公開に踏み切った。この動きを受け、日本の研究者からは「日本側も関連文書を公開するべきだ」という声が高まっていた。
しかし、朝日国交正常化交渉への影響を懸念する日本側は、韓国側の文書公開に冷ややか。たとえ、市民団体側が情報公開法に基づく開示請求を行ったとしても、「不開示情報に該当する」としてこれに応じることはなさそう。市民団体側はその際、「情報公開法の精神に背く」として「不服申し立て」を経ず、直ちに日本国を相手取り提訴に踏み切る考えだ。
この市民団体は「日韓会談文書・全面公開を求める会」。昨年の12月18日、在日韓国YMCAホールで結成式を開き、正式に発足した。共同代表には龍谷大学経済学部の田中宏教授ら3人が就任した。
いうまでもなく、外交文書の記録は、交渉当事者の双方の記録を付き合わせることではじめて全体像を把握できる。しかし、韓国側が全面公開に踏み切ったことについて、公開を渋る日本側は「交渉文書もファイルされた瞬間から相手国の行政文書であり、主観的な記録」と冷ややかな態度を示しているのが実情。
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請求会員を募集
「求める会」では今春以降、外務省に保管されている1000を超すと見られる文書について、一人一文書請求方式で運動を進めていく。現在、請求者およびサポーター会員を募集している。
共同代表の一人で、朝鮮現代史・日朝関係史研究者の吉澤文寿さんは、「日本政府は韓国側被害者の補償要求の訴えに対し『完全かつ最終的に解決』と言ってきた。ではその実態は何であり、なぜ、そのように解決されてしまったのか。心の中でくすぶり続けている疑問に誠実に向き合うべきだ」と話している。
(2006.1.1 民団新聞)