掲載日 : [2006-01-25] 照会数 : 6738
<コラム・布帳馬車>娘なりの自己主張
小学校3年生の娘がいきなり聞いてきた。「オモニは本当の韓国人?」。唐突な質問に戸惑いながら「なんで?うその韓国人なんていてるの?」と逆に問い返した。すると、娘は「だって、韓国で生まれた人が本当の韓国人で、日本で生まれた人は嘘の韓国人じゃないの?」という。
学校で娘は、友達に「日本で生まれたのに、なんで韓国人やの」といわれたという。娘の本名使用は入学に際し、自らが望んだ。学校では週1回、民族学級にも通っている。韓国人であるとの自覚はごく自然に身に付いていた。
ところが、在日韓国人のなんたるかを知らない友達から、「在日韓国人は本物の韓国人ではない」と言われた。娘は自分ばかりか、両親の人格さえ否定されたかのように思えた。にもかかわらず、友達を納得させるに足る答えはついに見つけられなかった。さぞ悔しかったのだろう。
なぜ、韓国人が日本にいてるのか、家の中ではとりたてて話して聞かせたことはない。まだ小さい娘に在日の歴史を話しても理解できないだろうし、今はなにを話しても「なんで?」の連発になるだろうから。
しかし、娘は、友達とのやりとりがあってから子ども心になにかしら感じ取るところがあったのだろう。以前にもまして、韓国語の勉強に打ち込むようになった。民族学級での発表を控え、チャンゴ練習にも熱心に取り組んでいる。私は、娘が自分は韓国人だと精一杯自己主張しているように思えた。
(R)
(2006.1.25 民団新聞)