掲載日 : [2006-03-01] 照会数 : 9477
<トリノ五輪閉幕>逆転のドラマ 観衆を魅了
[ ショートトラック男子5000㍍リレーで優勝した韓国チーム。「応援ありがとう」とハート形を作り応えている ] [ 韓国史上初の3冠王となった安賢洙(右)、陳善有の両選手 ]
大活躍のショートトラック
韓国、総合7位メダル 金6・銀3・銅2個
「韓国、強し!」。2月27日に閉幕した第20回冬季五輪トリノ大会で韓国は、金6、銀3、銅2の計11個のメダルを獲得、総合順位7位と冬季五輪史上最高の成績を収めた。特にお家芸のショートトラックでは抜群の強さを示し、女子3000㍍リレーは4連覇の偉業を達成した。
韓国の11個のメダルのうち、李康 選手が銅メダルを獲得したスピードスケート男子500㍍を除きすべてショートトラックで獲得したもの。男女2枚看板である安賢洙(21)と陳善有(17)の両選手は、いずれも1000㍍と1500㍍、そしてリレー(男子5000㍍、女子3000㍍)を制して金メダル3冠王となった。韓国選手史上初の偉業だ。
あまりの強さに世界を驚かせた。どのレースを見ても、スタート直後は後方に位置をとりながら、チャンスと見るや、外側から一気に抜いていくスピードに、観衆はただ目を丸くするばかりだ。
1000㍍決勝で韓国の2選手に相次いで抜かれた米国のアポロ・アントン・オーノ選手は「安賢洙が外側から自分を抜いて行く時、まるでジェット機が通り過ぎていくような感じだった」とコメントしたのも、決して誇張ではない。
わずか3カ月前に開かれたワールドカップ(W杯)第4回大会(オランダ・ハーグ)の時ですら、このような作戦はなかった。
内側のすき間に食い込むのではなく、外側から大きな円を描きながら追い抜く作戦は、常識に逆らう行為で、体力の消耗も大きく、尋常な力がなければできることではない。相当な体力とスピードの両方があって初めて可能だ。氷質が柔らかいトリノのリンクを考慮したうえでの作戦であった。
観衆はゴール寸前で一気に追い抜く韓国の「逆転のドラマ」に酔いしれた。
最終日の男子5000㍍リレーは連覇を狙うカナダと抜きつ抜かれつのシーソーゲームを演じたが、最終走者・安選手の見事なラストスパートで一気に追い抜き決着をつけた。タイムは6分43秒376の五輪新。安選手は男子1000㍍でも1分26秒739の五輪新をマークした。
女子リレー 4連覇達成
ショートトラックが正式種目となったのは92年のアルベールビル冬季五輪から。女子3000㍍リレーの4連覇は、その翌大会の94年リレハンメル、98年長野、02年ソルト・レーク・シティー冬季五輪と続くもので、夏季五輪で成し遂げた韓国アーチェリー女子団体の3連覇を抜く大記録の金字塔を打ち立てた。
国別総合順位は①ドイツ②米国③オーストリア④ロシア⑤カナダ⑥スウェーデン。
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韓国選手のメダル受賞者
【ショートトラック】
◇男子500㍍=③安賢洙
◇男子1000㍍=①安賢洙(五輪新)、②李昊錫
◇男子1500㍍=①安賢洙、②李昊錫
◇男子5000㍍リレー=①韓国(五輪新)
◇女子1000㍍=①陳善有
◇女子1500㍍=①陳善有、②崔恩景
◇女子3000㍍リレー=①韓国
【スピードスケート】
◇男子500㍍=③李康ソク
(2006.3.1 民団新聞)