掲載日 : [2006-03-15] 照会数 : 6367
民族の魂を改めて胸に 3・1独立運動記念行事
[ 3・1精神の継承を確認した中央式典 ]
同胞の団結不可欠…各地の式典で確認
日本帝国主義による植民地支配からの独立を求め、200万以上の民衆が立ち上がった1919年の「3・1独立運動」。第87周年を迎えた1日、全国各地の民団で記念式典が開かれ、祖国分断の克服に向けてすべての同胞が団結することが3・1精神を生かす道であると再確認した。各会場では3・4世世代が「独立運動」を理解するためのリーフレットが配布された。
東京本部(李時香団長)が主催した韓国中央会館での中央式典には、新任の河丙〓中央本部団長、金廣昇監察委員長をはじめ、幹部ら200余人が出席した。李団長は開会辞を通じて、先のトリノ五輪で大活躍した韓国選手団を称賛しながら、「3・1精神を継承し、在日の課題を遂行しよう」とあいさつした。
中央本部の河団長は記念辞で「在日同胞の大同団結と地方参政権の早期立法化、韓日間の架け橋としての役割を果たす」と強調した上で、「創団60周年を機に民団の改革と組織強化に力を尽くそう」と訴えた。盧武鉉大統領の記念辞を羅鍾一大使が代読した後、祖国の統一参与など、大会決議文を満場一致で採択した。
茨城県本部では、60余人の同胞が出席して式典を開いた。崔元鎬団長が開会辞、己未独立宣言書を李俊彦民生部長が朗読した。大使館の李壽尊領事課長が大統領記念辞を代読した後、決議文を採択した。
大阪府本部で開かれた式典には、鄭華泰総領事や婦人会、各支部団員、建国、金剛学園の生徒ら約500人が参加した。呉龍浩副団長が独立宣言書を朗読し、鄭総領事が大統領記念辞を代読した後、中央本部の金昌植監察委員長が中央本部団長の記念辞を代読した。
兵庫県本部では、本部会館に駐大阪韓国総領事館神戸事務所の金永〓所長をはじめ、兵庫韓商の車得龍会長、近畿産業信用組合の兪奉植会長、そのほか婦人会、各支部団員ら約200人が集まった。白永煕団長は「民族独立をうたった3・1節精神が、わが民族と在日同胞の飛躍的な発展のための精神的支柱である」と熱弁した。
また、「いま、日本を憂う」と題して、野中広務全国水土里ネット会長(元自民党幹事長)が記念講演した。
奈良県本部では、駐大阪韓国領事館の李庚煥副総領事をはじめ、約120人の同胞が出席して式典を開いた。姜日錫団長の開会辞に続き、独立宣言書を李俊衡教育院院長が朗読し、李副領事が大統領記念辞を代読した。そして決議文を満場一致で採択した。
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盧大統領記念辞
侵略正当化を危惧…靖国参拝を強く批判
盧武鉉大統領は1日、ソウルの世宗文化会館で開かれた第87周年3・1独立運動記念式典で演説し、韓日関係悪化の要因になっている小泉首相の靖国神社参拝などを批判した。また、自国の過去史についても、正していく必要性を強調した。
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尊敬する国民の皆さん。独立有功者と内外貴賓の皆さん。87回目の3・1節を非常に意義深く迎えています。
己未年(1919年)の今日、私たちの父、母、祖母、祖父は、国を取り戻すために空拳で立ち上がりました。自主独立と民族自尊という大義の前に、命をかけて銃刀に立ち向かいました。三千里の津々浦々を搖るがした大韓独立万歳の声は、どんな圧制にも屈しない私たちの独立意志を世界中にとどろかせ、抑圧された民族魂をもう一度蘇らせました。独立を渇望する世界の弱小民族に希望の灯をともしました。
このような3・1運動の偉大なる精神は、上海臨時政府樹立につながり、国内外の独立闘争をさらに熱く燃えさせました。そして、遂に私たちは国を取り戻しました。
祖国の光復のために献身した愛国先烈に頭をたれて敬意を表すと同時に、遺家族と独立有功者の皆さんに深い尊敬と感謝の言葉を申し上げます。
国民の皆さん。昨年の3・1節に私は、「韓日両国が真実と誠意をもって過去の沈澱物を取り除き、真の和解と協力の道を歩もう」と強調しました。誤った歴史認識と感情を整理しなくては、韓日関係はもちろん東北アジアの未来を約束するには難しいからです。
しかしこの1年間、神社参拝と歴史教科書歪曲、そして独島問題に至るまで、大きな変化はありませんでした。指導層の神社参拝は続いていますし、侵略戦争で独島を強引に占拠した日を記念することまでしています。このような事情ゆえ、私たち国民の立場からすると、いまだに日本が侵略と支配の歴史を正当化し、再び覇権の道に進むかも知れないという疑問を持つことは当たり前だと思います。
神社参拝は戦争反対の決意を固くするためであり、個人の問題であって他の国が干渉する問題ではないと言っています。しかし、国家的な指導者が語る言葉と行動の意味は、当事者自らの解明ではなく、その行為がもつ客観的性格によって評価されるのです。国家指導者の行為は、人類普遍の良心と歴史の経験に照らして、果して適当であるかを基準に評価しなければなりません。
日本はすでに謝りました。私たちは重ねて謝罪を要求しません。謝罪に合致する実践を要求するのです。謝罪をひっくり返す行動に反対するのです。
「周辺国の疑惑は根拠がない」と言い続けるよりも疑心を招く恐れがある行動を慎むのが正しいのです。すでにドイツのように世界の多くの国が実践している先例がその基準になるでしょう。日本が「普通の国家」ひいては「世界の指導的な国家」になろうと思うならば、法を変えて軍事費を強化するのではなく、まず人類の良心と道理に合うように行動することで国際社会の信頼を確保しなければなりません。
私は大多数の日本国民の意志もこれと違わないと思います。私たちは日本国民の良識と歴史の大義を信じて粘り強く説得し、また要求していこうと思います。
国民の皆さん。私たちの歴史問題も整理していかなければなりません。許しと和解を前提に真実を明らかにし、過去の歴史から生まれた分裂を解消し、信頼と統合の新しい社会を作っていくために私たちは今、過去の歴史を整理しています。
ところで、これら過去史は、それ自体がまさに歴史です。過去史の整理過程を見ると、私たちの歴史には、まだ明らかにされなかったことや、誤って記録された歴史が相当あると見受けられます。
隣国に対して、歪曲された歴史を正しくしようと堂々と言うためには、自分の国の歴史も誤った部分があれば直していかなければなりません。現在進行中の過去史の整理過程は、このような歴史的観点で理解されなければなりませんし、またこのような観点を考慮して進行されなければなりません。
国民の皆さん。3・1運動当時、全同胞が一緒に叫んだその日の叫び声と、その日一つになったわが民族の魂を記憶しましょう。そのように一つになった力で先進韓国の夢を必ず成し遂げましょう。子孫が誇るに足りる栄えある大韓民国の歴史をつくっていきましょう。
(2006.3.15 民団新聞)