コラム・特集 内容

 2002年が暮れようとしています。転換期の年としての厳しい変化に対応してきました今年をふり返り、新しき年の課題に備えたいと思います。

■架け橋的役割を果たす

 今年度の活動は総じて、21世紀の在日同胞社会を展望し、韓日新時代の架け橋的役割と基盤整備に努力する一方、韓半島の平和と安定を願い、海外国民としての責務を果たしてきた1年と指摘できるでしょう。

 今年の前半は、ワールドカップ(W杯)韓日大会後援事業で彩られました。この間、組織を挙げてとり組まれた後援事業は、日本の経済不況の中にあって困難を極めましたが、大会の成功によって21世紀の韓日新時代を画する大きな成果を収めることができました。また、韓日国民交流年として今年ほど、韓日間の相互理解を深める数多くの事業が全国的に展開された年はありません。

 W杯大会や釜山アジア競技大会のようなイベントをはじめ、韓日の学生による「朝鮮通信使」パレードが2度に渡って行われました。3日に一度は各級組織の協力の下、どこかで韓日文化交流事業が取り組まれたのです。各級組織幹部と団員の物心両面にわたる協力の下で韓日間の相互理解に大きく寄与することが出来ました。

 一方、長期にわたる日本経済の不況の中、民族金融機関の再生をめざす新たな枠組みが決着しました。次世代の経済活動を支える民族金融機関の確固たる基盤の確立をめざし、全同胞的な支援体制のもと取り組まれていることは確かな第一歩です。

■提起された課題に新たな姿勢で

 日本国会に上程されている「定住外国人に対する地方選挙権付与法案」は、今年も継続審議となりました。私たちは挫けることなく、地方自治体の支持決議を得る一方、新たに自治体における「住民投票権」の獲得をすすめ、画期的な成果をあげました。如何なる困難があっても「必ず獲得する」との不屈の信念を示したことは大きな成果です。

 在日同胞社会の統一をめざす総連との「和合と交流事業」はW杯大会などの合同参観団の派遣によって、信頼感醸成に大きな成果をあげました。しかし、北韓の日本人拉致事実の公然化と核開発再開によって水を差されました。総連から離脱する同胞受け入れ体制など、私たちの不退転の覚悟が求められています。

 各級組織幹部と団員の使命と熱意で得られた成果と山積した課題とともに新たな年を迎えます。

 我が国は、盧武鉉第16代大統領予定者とともに力強い出帆を前にしています。私たちも海外国民として、世界の中の韓国、韓米・韓日新時代をめざし、新大統領と本国国民とともに「なせばなる」の思いで新たな年に臨みたいものです。

(2002.12.25 民団新聞)

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