掲載日 : [2006-05-10] 照会数 : 7357
民団会館拠点に福祉サービス…都内でも広がり
[ 婦人会心づくしの料理を囲むお年寄りたち(民団大田支部で) ]
足立に続いて 大田、江戸川支部でも
同胞社会の高齢化が進むにつれて、民団の会館を拠点に各種福祉サービスを提供する支部が都内でも徐々に広がりつつある。これまでは同胞最多住地域の足立支部に限られていたが、新たに大田と江戸川が加わり、合わせて3支部になった。大田では月1回、江戸川では季節ごとに年4回の実施。いずれも婦人会が推進役を担っている。
婦人会東京・大田支部(李蘭子会長)は毎月1回、第3土曜日に民団支部2階で同胞高齢者に憩いのひとときを提供し喜ばれている。
正式の名称は高齢者清遊会「ムグンファ会」。同胞のお年寄りが日本の老人会になじめなず、さびしい思いをしていると伝え聞いた李会長がほかの役員らと一緒になって就任の翌年から取り組んでいる。今年で4年目に入った。
スタート当初は民団会館に隣接する自治会館の一室を借りた。会場は広くて申し分なかった。ただ、畳敷きのため、正座する際に足の痛みを訴えるお年寄りが見られた。このため、いすに座れてお年寄りの負担が少ないからと、3月から民団会館に場所を移した。
会場は朝10時過ぎからにぎわい始める。出迎える李会長らはしばし調理の手を休めて一人ずつに声をかけ、安否を気遣っている。多いときは30人以上集まることも珍しくないという。
昼には婦人会役員が早朝から準備した心づくしの料理を囲む。料理は季節にあわせた韓国料理が多い。カルビスープなど手の込んだ料理は役員総出で前の日から準備している。食事が済むとカラオケに興じたり、思い思いに午後のひとときを過ごしている。
一時は周囲から「毎月は大変では」という声も聞こえてきたという。だが、李会長は「2,3カ月に1回では意味がないから」と、あくまで月1回の開催ペースを維持している。お年寄りからも「たとえお茶一杯でもいい。毎月続けてほしい」との声が届いていた。
民団大田支部の朴憲哲支団長は「高齢者が気軽に集まれる場があるのは貴重」と婦人会の貢献をたたえており、民団大田支部としても正式に「ムグンファ会」を財政面からもバックアップしていくことになった。大田区に対しても「ムグンファ会」を正式な老人クラブとして認定してもらえるよう働きかけを強めていくという。
(2006.5.10 民団新聞)