掲載日 : [2006-05-10] 照会数 : 5081
<論説>独島領有問題と外交交渉
友好国として冷静な解決を
一触即発の危機から韓日間合意
問題再発に懸念
去る4月22日、韓日両国外務次官が会談し、独島(竹島)周辺海域の海洋調査計画をめぐり、日本が予定していた海洋調査を中止、韓国は海底地形に関する6月の国際会議に独島周辺の独自名称の提案を見送ることで合意した。
韓日間合意した骨子は①韓国は6月の海底地形に関する国際会議で独島周辺の独自名称提案を行わない、必要な段階で適切に推進②日本は今回予定の海洋調査を中止③両国は排他的経済水域(EEZ)の画定交渉を5月中にも再開、合意の内容から問題が再燃する可能性も残った。
日本の海洋調査に対して、韓国がこの海洋調査に反発し、一時は緊張が高まった。両国が譲歩によって関係悪化は回避された。韓国は「独自名称に必要な段階で適切に推進する」との文言から今後提案する道を確保しており問題が再発することが懸念される。日本が提案した科学的調査実施の場合、事前通告制度創設に対して韓国が拒否した。
韓日両国間に緊迫した外交問題で一触即発の危機から妥協し合意したことは、両国間の長い近隣外交関係友好国として当然の帰結である。
両国には靖国神社参拝、歴史教科書等で韓日関係がこれ以上悪化するのは好ましくないとの認識が双方の一致した結果だ。両国ともこの対立は国内のナショナリズムの高まりに巻き込まれ、非常に難しい国内事情も無視できない。
長期紛争の対象
独島問題は国際法上未解決の外交問題となりそうだ。韓国は「独島は固有の領土」「韓日に領土問題は存在しない」と主張、日本も「歴史的に、竹島は国際法上固有の領土」「国際裁判所の提訴に応じるべし」と言及。両国が自国領土であると主張する以上、独島(竹島)領有問題は韓日間の長期の未決済の国際外交紛争として持続する。
独島(竹島)領有に関しては、日本は歴史的沿革から固有領土であり、無主の島であった「竹島」を1905年、正式に自国に編入したと考えているようだ。
一方、韓国は、歴史的史実、記録等から韓国固有の領土であるが1905年には日本が韓国の外交権を奪った状況で、日本が「竹島」を〈島根県告示第40号〉によって島根県に編入したもので、これは国際法上無効であると説く。特にこの編入が日露戦争中で、日本の軍事的背景によって占領したと見る。
1965年の韓日基本条約には独島(竹島)領有問題を棚上げし、漁業協定を締結した。過去40年間、海上衝突も予想され緊迫した両国関係もあったが友好国として交渉してきた。客観的に両国が自国領土主張し続ける以上、一方が領土主張を放棄することは難しい。
両国間の長期の紛争の対象で、外交を通して冷静な交渉、協議は必至である。両国間に競合的の状況は排除できないが友好国として外交関係で円滑に静かに解決されるよう望む。
(論説委員長・金淳泰)
(2006.5.10 民団新聞)