掲載日 : [2006-05-24] 照会数 : 9421
<白頭学院創立60周年>様変わりした建国 頑張る教職員
[ 金基周理事長 ]
学校法人白頭学院建国幼・小・中・高等学校(金基周理事長、李正市校長)=大阪市住吉区遠里小野=が5月31日に創立60周年を迎える。民族教育の基礎を根付け、しかも日本の社会でしっかり生き抜いていくパワーも身につけさせようと日々奮闘する学院のいまを追った。
国際社会に通じる人材育成
建国といえば昔から「やんちゃな」といったイメージが一般的だったようだ。しかし、今は違う。「開けた民族学校・建国」として大きく様変わりしている。教職員たちも生徒がなにを感じ、なにを求めているのかを常に考えながら教壇に立っているという。各教職員に「新しい建国」像を語ってもらった。
温かい給食提供韓国料理も登場…小学校
◆笑顔で交わす朝のあいさつ、黒板を見つめる好奇心いっぱいの目、運動場に広がる歓声。そんな子どもたちとともに過ごせるのがこの建国小学校(藤本真嗣先生)
◆1世の同胞が力をあわせて建てたこの民族学校を3・4世の私たちや子どもたちが守り続けなければならない。民族素養を育てるため日々頑張っている(梁真規先生)
◆建国の給食は和・洋・中華と変化に富み、韓国料理もよく登場します。野菜たっぷりのビビンバやピリ辛のキムチチャーハンが人気。温かい作りたての味は最高です(田秀香先生)
民族学校として共生教育も重視…中学校
◆開校以来、在日社会の有能な人材を育てる役割を担って来ました。これからも地域社会、ひいては国際舞台で活躍する人材を育てていくべく、生徒たちと一緒になって頑張っています
(金明枝先生)
◆設立当初から民族学校としての理念は現在も失われることなく引き継がれている。国際人としての人材を育成し、語学を重視する国際学校としての新しい建国をぜひ見に来て(李広緑先生)
◆建国は民族、言語そして文化を大切にし、共生をテーマに日々教育活動に取り組んでいる
(松崎隆行先生)
少人数教育で家族的雰囲気…高等学校
◆建国は少人数で生徒一人ひとりとのコミュニケーションを深められる。生徒の立場に立った行きとどいた教育を展開している(金英秀先生)
◆先生は一人ひとりの名前や性格をよく把握している。生徒を身近に感じられる距離に身を置きいつもそっと寄り添っている(藤本秀人先生)
◆建国は一人ひとりが主役になれる学校。いろんなことが学べ、挑戦でき、しかも体験できる学校。そして、先生と生徒が大変仲がよい学校です(康龍子先生)
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出会いと感動の場に
白頭学院理事長 金基周
民族学校・建国は在日同胞の財産だ。1世たちが子どもたちの教育がいかに大事かということを60年前から考え、この学校を建てた。その思いを2世3世が引き継ぎ、4・5世世代にゆだねていく。力を入れているのは、これからの国際社会に通じる人材の育成だ。
特に高校の特進コースは少人数編成で一人ひとりの進路や希望に合わせた授業を展開し、学力の強化に努めている。
この結果、進学実績が高く評価され、多くの大学から指定校推薦入学制度の適用を受けている。現在では同志社大学法学部をはじめとして4年制大学だけでも27大学を数える。
アボジ、オモニたちが安心して子どもを通わせられる学校、そして、ひとりでも多くの子どもたちに出会いと感動を与えられる学校、それが今の建国です。
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学院の歴史
学院の前身は1946年3月、大阪市住吉区に設立された建国工業高校、建国高等女学校。設立代表者は桂訓、初代校長、李慶泰。47年4月、新教育制度により建国中学校に改称した。48年に建国高等学校、49年には建国小学校を設立し、当時の文部省から財団法人の認可を受けた。51年、学校教育法第一条による法的資格を得る。97年には建国幼稚園を設立して現在に至る。
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教育目標
①自分に誇りをもてる人になろう
②社会に役立つ人になろう
③世界にはばたく人になろう
④創造力にみちた人になろう
(2006.5.24 民団新聞)