掲載日 : [2006-06-07] 照会数 : 9858
修学旅行生の見学増加…在日韓人資料館
[ 在日韓人資料館には修学旅行生の見学が増えている ]
修学旅行生相次ぐ 在日韓人資料館 5校から57人‐5月‐
修学旅行で東京を訪れた日本の中・高校生のグループが相次いで韓国中央会館別館=東京・港区=にある在日韓人歴史資料館を訪れている。5月は5校から総勢57人が上京し、見学コースに組み込んだ。修学旅行生の来館は昨年11月に開館して以来初めて。
三重県からは松阪市の市立嬉野中学から21人、四日市市の市立港中学からも15人が相次いで入館した。資料館からは3人の研究員が各班ごとに説明についた。
関東大震災の朝鮮人虐殺コーナーで説明を聞いていた嬉野中学の生徒は思わず「かわいそう」と顔をしかめた。案内の研究員、辛野乃さんが「阪神大震災の時には助け合った」と説明すると、ようやくほっとした表情に変わった。
生徒たちは1年生の時から「総合学習」の時間には折に触れて在日外国人の問題について学習してきた。このためか研究員には「日本人から差別を受けてきているのに、どうして優しく接することができるの」「どんな誇りや信念を持って差別の厳しい世の中を生き抜いてきたの」といった素朴で好奇心いっぱいの質問が相次いだ。
ある生徒は「在日朝鮮人の差別問題はだいぶなくなってきたが、いまでも残っている問題はあると思う。そのことを真剣に考えていきたい」と感想を語っていた。もう一人の生徒は「差別を受けながら一生懸命に生きている在日の人たちを見ると、とてもすごいと思います」と話していた。
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土曜セミナー盛況 入場できない人も
在日韓人歴史資料館で3日、第3回「土曜セミナー」が開催され、姜徳相館長が「日本の近現代史をどう考えるかⅡ」をテーマに講演を行った。
講演には会場スペースの関係で希望していながら入場できなかった傍聴者も多数見られ、韓国・朝鮮問題に対する日本人の関心の高さを見せた。
次回は7月に鄭早苗氏(大谷大学教授)が「多文化共生社会への取り組み」と題して講演、8月には姜館長による「日本の近代史をどう考えるかⅢ」を予定している。資料代として各1000円。申し込みは℡03・3457・1088(同資料館)。
(2006.6.7 民団新聞)