培った経験自信に…交流で芽ばえる民族意識
創団60周年記念「韓日未来月間」事業
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04年オリニ・ソウルジャンボリーに参加したオリニ約300人が描いたタイル画の一部。その後、清渓川の「素望の壁」にはめ込まれた |
韓国の初等学校訪問では、児童たちがオリニたちを歓迎した |
日本各地の在日同胞オリニ(子ども)が韓国に集い、民族的な自負心や本国小学生との交流を育む「2006オリニ・ソウルジャンボリー」が2年ぶりに開催される。今年は京畿道龍仁市の陽智パインリゾートを宿舎に、8月6日から10日まで実施される。オリニたちはさまざまなイベントや出会いを通じて、大きな成長を遂げている。今年のジャンボリーでは、どのような思い出作りをするのだろうか。
4回目となる今年のジャンボリーは、小学校4年から6年までの在日同胞オリニ(日本籍含む)350人、保護者80人、引率側のリーダーら併せて550人規模になる予定だ。
企画は初日のウェルカム・パーティーをはじめ、素顔の韓国に触れる「ソウル市内スタンプラリー」、韓国の初等学校訪問、テーマパークのエバーランドなど、これまでのジャンボリーとほぼ同じだが、今回はゆとりを持たせたスケジュール調整を心がけている。
また保護者は初日の仁川空港到着から最終日の出発まで、基本的にオリニとは別日程だが、6日はガイダンス、7日のフィールドワーク&フォーラムでは、韓日文化交流史や民族教育について講師から話を聞くほか、子育てなどに関する意見交換を行う。また宿所の周辺施設を見学する予定(8、9日は自由時間)。
この保護者企画は普段、知り合う機会の少ない親たちにとって、ネットワークを構築できる場として高い関心を呼んでいる。
オリニは母国での触れ合いのなかで貴重な経験を積み、また保護者にとっては、たくましく成長する子どもたちの姿に喜びを隠せない様子だ。これまでに参加したオリニ、保護者たちの声を紹介する。
02年参加の4年生女子=滋賀県=は、「4日間のオリニジャンボリーで、わたしは初めの日に友達ができるかどうかが心配だったけど、友達もいっぱいできたし、ソウルの学校のペアの子がわたしに「こんぎのり」とか,韓国の言葉のわからないわたしに、いっしょうけんめいに話そうとしていて、すごくやさしくて、よかった」。
02年参加の6年生男子=山形県=は、「今までみんなと仲よくしてきた中で、1秒1分1時間と時間がたつのがとてもさびしい。でも中学、高校、大学でもまたソウルに来れるので、また絶対会えると思う。今回はとてもいい思い出になったなあと思った」。
04年参加の5年生男子=福岡県=は、「ぼくは、チングとすごした4日間いろんなことがありました。けんかをしたり、わらったり、泣いたりしました。ほんとにいいおもいでになりました。ぼくは、チングがたっくさんできました。これからわかれるのはさびしいけど、これをきっかけに強くなろうとおもいます」。
04年参加の保護者=兵庫県=は、「4泊を親元を離れて初めて過ごしました。何の不安もなく内気な性格が積極的になりました。全国から集まった子どもたちと親しくなったことが自慢のようです。
全ての経験が自信につながりチャレンジしたいと思うだけのことが、行動にうつすようになりました。大きな成長です。参加して本当に良かった」。
04年参加の保護者=愛知県=は、「私たちは在日として今日まで生活しておりますが、本人はそのことをあまり理解していなかったのですが、今回のこの企画を通していろいろと理解することができたようです。
韓国ブームの中で、私が子どもの頃よりも韓国がより近く感じられ、子どもたちにもこれからもっとたくさんのことを学んでいってほしいと思います」。
ソウル市内で買い物も
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オリニリーダーの感想
4泊5日のさまざまなな活動の中でもとりわけ心に残っているのは、小学校での交流であった。生徒とひとつになって、うちわを作ったり、伝統的な遊びを楽しむオリニたちの姿を見て感動した。
かれらには、理屈や言葉など必要ない。「同じ民族」ということだけで十分なのである。それに比べて大人たちはどうだろうか。子どもたちから学び取ることが、とても多かったと思う。
(神奈川県=02年)
自分にとって全く未経験であったオリニとの共同生活で、リーダーとしての子どもに対する接し方、同じ目線でということがとても難しかったですが、ジャンボリーであったからこそ、子どもたちと多彩な話題で話せ、子どもたちに韓国という存在を身近なものである樣に近づけることができ、ますます今後のジャンボリー事業への重要性を感じます。
(京都府=04年)
主な日程や詳細は特設ページをご覧下さい。
http://mindan.org/2006eorini/index.htm
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最終日のイベント、フェアウェル・パーティーで盛り上がるオリニたち | 国民儀礼も覚えたオリニたち |
(2006.6.7 民団新聞)