掲載日 : [2006-08-15] 照会数 : 9596
美の追求で輝く在日同胞の女性たち 申和順さん
申和順さん(47)
はなまる 専務取締役
幸せの使者「韓方石鹸」
韓国では結婚した人や、引っ越しを祝って石鹸をプレゼントすることがある。「それは泡が膨らむから幸せが膨らむという意味。私も一人ひとりに気持ちを込めて、この石鹸を使って幸せになって下さいという気持ちを伝えたい」
ココナッツオイルをベースに、韓方に基づいた11種類の天然植物エキスを配合した韓方石鹸の「CONJU」(コンジュ)。女性であれば誰でも、透明感のある美肌に憧れるもの。韓国語で「お姫様」を意味する「コンジュ」には、そんな女心を満たしてあげたいという気持ちが込められている。
「韓方というと難しいイメージはあるが、山に生息している植物で、食べたり煎じたり人間の体にとって良い植物を韓方と呼んでいる」。実際に韓国では服用するだけではなく、皮膚疾患治療薬の塗り薬としても使われているほど、人々の生活に根付いている。
15年前、「在日として韓国に関わる仕事をやりたい」と会社を興し、韓国海苔とキムチをメーンに韓国食品を販売したが、出産のために終止符を打つことに。だが韓国と日本の橋渡しとしてやりがいを感じていた申さん。その間も韓国の価値ある商品を探していた。
そのころ、現在の仕事につながる商品を友人から紹介された。韓方医学の古書「東医宝鑑」に基づいて作られたという「神秘(シンビ)石鹸」だった。「魔法の石鹸のように評判が良く、皆さん1回手に取ったら離さないという感じで、問屋という形で販売させてもらった」
順調な滑り出しを切ったかのように見えたが、5人の子どもの母親としての立場に無理が生じ、業務を本社に預ける形を取った。仕事を再開したいと思い続けてきた申さんに、そのチャンスが訪れたのは2年前。子育ても一段落し、心にゆとりが出てきたからだ。
以前扱った「神秘石鹸」で韓方の力を実感していた。新たに麻布営業所・COSME営業部を立ち上げ、韓国で75年に設立以来、天然成分配合の製品のみを生産してきた実績を持つ製造会社の製品「コンジュ」を新商品として扱うことを決めた。
申さんが仕事にこだわる理由は、在日である自分の存在を表現したいから。「今思うと自分探しをいつもしていた」。日本との狭間で葛藤しながらも、「いつも自分は正直でありたい」という答えを探してきた。だがそんな申さんにも変化が出てきた。
「これからやるべきこと、子どもに伝えていくべきこと、1世から受け継がれてきたものが最近、自分のなかで整理できてきた」。石鹸の良さを通して、韓国、民族の良さを日本の方に伝えられる今の仕事に充実感を感じている。
現在販売は口コミや営業を通じてのほか、知人の店などに卸している段階だが、すでにいろいろな声が寄せられている。「アトピーやニキビが良くなったいうのが一番嬉しい。ホームページでなるべく沢山の方の効果を情報で伝えることで、確信を持って使っていただくのが一番」
来年2月で1年を迎える。2月以降、市場で本格的な販売を開始していく予定だ。
「出会った人が何を求めて、何に困っているか。その人たちの役に立ちたい」。その実現に向けて日々、奔走している。
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サンプルを希望する方、注文は麻布営業所(℡03・3470・3002)。月〜金曜日9〜17時。
(2006.8.15 民団新聞)