掲載日 : [2006-08-22] 照会数 : 13157
孫基禎翁から学ぶ ベルリン五輪から70周年
[ 講演で父、孫基禎翁について語る正寅氏 ]
【神奈川】第11回ベルリン五輪マラソン(1936年)で金メダルに輝いた故孫基禎翁の生き様を今日に伝えようと、同五輪開催70周年を期しての記念行事が9日、神奈川韓国会館で開かれた。民団と婦人会の神奈川県本部、および横浜支部が実行委員会を構成した。
この日は故人が世界新記録で優勝した日。マラソンスタートの15時に講演会がスタート。同胞各界のほか地元の県議会議員、横浜市議会議員、母校の明治大学関係者ら150余人が出席した。
会場ではヒトラーが作らせた記録映画「民族の祭典」のダイジェスト版が上映された。孫選手と銅メダルを獲得した南昇龍選手が画面に登場すると、期せずして会場から拍手が送られ、表彰式で「君が代」が流れると会場の空気が変わった。
長男の孫正寅・民団横浜支部事務部長は、「なぜアボジは日の丸をつけて走らなければならなかったのか。日本生活を余儀なくされた在日の一人として、風化していく歴史を日本の次世代にきちんと伝えた上で、相互理解を深めたい」と前置きし、「平和な時代だからこそスポーツの喜びを享受できる。スポーツは国境を超えて、人々に喜びを与えないといけない」という故人のメッセージを伝えた。
(2006.8.22 民団新聞)