掲載日 : [2006-10-04] 照会数 : 9040
韓国絵本って面白い 母子で育む文化理解
[ 店長の孔美さんが手にしているのは雲で作ったパンを食べた猫の家族を描く「くものパン」(左)と韓国で親しまれている正義と平和を守る守護神「ヘチ」を題材にした「ヘチとかいぶつ」 ]
原書と日本語版50冊
「韓雑貨のお店スッカラ」に専用コーナー
「韓流を飛び越え、韓国の良い文化を知りたいという方に韓国絵本が受け入れられています」と話すのは孔美さん。韓国の文化や最新情報を紹介している月刊誌「スッカラ」(アートン刊)で取り上げた作品を中心に展示、販売する「韓雑貨のお店スッカラ」=東京・渋谷区=の店長だ。店内の専用コーナーには、原書と日本語版併せて約50冊もの韓国絵本が並び、どれを読もうか迷ってしまうほどだ。これらの絵本は、同社が04年3月から12月までに刊行し、増版を重ねた人気韓国絵本シリーズ「韓国の絵本10選」や、ショップのスタッフが韓国で見つけた作品など。昔話、神話からモダンな作品まで、バラエティーに富む韓国絵本から目が離せない。
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おばさんの結婚式
おばさんの結婚式に行くため、主人公の女の子はギリシャへ。おばさんに会えて嬉しいものの隣の旦那さんは見たことのない外国人。女の子は戸惑いつつも最後には大切なことに気づきます。心温まるお話。
絵・文:ソン・ヒョンギョン(ビリョンソ刊・2415円)
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景福宮
韓国の故宮、景福宮は朝鮮朝時代の太祖・李成桂が建てた宮廷。正面の光化門から勤政殿、慶会桜など、門や建物を一つずつ見せながら名前と機能を淡々と語ります。繊細な色鉛筆の描写が抒情的。
絵・文:イ・スンウォン(チョバンチェクバン刊・2520円)
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道を道を行くと
おじさんが道で拾ったコインで買ったお餅をこっそり食べようとするのだが…。韓国に伝わる童謡の歌詞に合わせて木や石膏などで作った登場人物や背景が動き出す。
絵:イン・カン 文:伝来童謡(チャンビ刊・2480円)
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トラとほしがき
お腹を空かせた虎が山からおりてきました。一軒家からは子どもの泣き声が。虎はしめしめと近づきます。「虎が来た!」と言っても泣き止まない子どもが「干し柿」と聞くとピタッと泣き止むのを見た虎。干し柿を自分より恐ろしいものと思い込んで…。絵:キム・ファンヨン 文:ウィ・ギチョル(国民書館刊・2415円)
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子供の料理本
子どものために韓国料理の作り方を解説した絵本。ごはんとスープの料理、肉と卵の料理、野菜料理、キムチとカクテギの料理、もちとおかしの作り方、飲み物の作り方が紹介されています。大人にも役に立ちます。
絵:チョン・ユジョン 文:ペ・ヨンヒ(キルポオリニ刊・2625円)
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お正月の晴れ着
中を開くとおもわず「かわいい!」と声を出さずにはいられません。お正月の晴れ着を着ていく主人公の様子を描いています。チマ・チョゴリの着方の勉強にもなります。
絵・文:ペ・ヒョンジュ(サゲジョル刊・2835円)
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4じはん
まだ家庭に時計がなかった時代。時間を教えてもらいによろず屋さんにお使いに行く女の子。帰り道、道端の花や昆虫に気を取られ、寄り道するうちに時間は過ぎて…。韓国の代表的な童話詩人、ユン・ソクチュンの詩が使われています。
絵:イ・ヨンギョン 詩:ユン・ソクチュン(チャンビ刊・2480円)
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メモ
韓国絵本の読者層は大人ばかりでなく、夏休みを利用して親子連れも多かったという。また、店長の孔美さんの行っている読み聞かせは人気上々で今後、定期的な読み聞かせの会も予定している。絵本を通して文化や歴史を学ぶ機会が増えていけばと願っている。
ここで紹介された絵本は全て、韓雑貨のお店スッカラで取り扱っています。
問い合わせは「韓雑貨のお店スッカラ」。営業11〜19時。年中無休(年末年始を除く)。東京都渋谷区渋谷2-16-1 日石渋谷ビル1階(℡03・6737・1015、FAX03・6737・1001)。
(2006.10.4 民団新聞)