掲載日 : [2006-12-20] 照会数 : 8271
<06民団総括>2006年を振り返る…年間日誌
2006年の民団は、創団60周年を祝い、来し方を振り返るとともに、さらなる飛躍に向け決意を新たにする年であった。しかし現実は、5・17事態と在外国民補助金の会計処理問題によって、70年代初期以来ともいうべき危機状況に陥った。9・21臨時大会によって正常化への大きな1歩を踏み出したとはいえ、前途はなお厳しい。この1年の中央本部の動きを中心に記録しておく。
■□
年間日誌
1・11 中央本部新年会で金宰淑団長、「本団結成60周年の年を迎え、第2の創団へ一丸となろう」とアピール
1・17 中央選挙管理委員会、中央3機関長立候補登録を公告
2・4 3機関長立候補者の合同演説会、九州地協からスタート
2・24 第49回定期中央大会で、団長に河丙、議長に金廣昇、監察委員長に金昌植の3氏を選出。この大会から前年3月の規約改正によって導入された選挙人制度が施行され、686人が参加
3・9 河団長、内外記者との会見で「改革民団号のスタートに際して」と題する談話を発表、「在日の統一モデル」をつくるため、できるだけ早く自ら総連を訪問すると表明
4・4 第1回中央常任委、「総連との和合に向けて対話をするために、脱北者支援民団センターの活動は保留する」ことを確認
4・5 新3機関長ら15人の民団代表団、12日までの日程で青瓦台など政府関係部署を表敬訪問
4・10 徐元組織局長、来団した韓統連組織局長と会い、段階的に交流・懇談することで合意
4・14 第1回常任委続開会議、総連中央に対し①中央協議機構の設置②両幹部の南北相互訪問および団員の北韓訪問の推進③6・15共同宣言記念行事への共同参与と8・15光復節記念行事共同開催などを提議することを決議し、「母国訪問事業は保留する前提で関係部署と協議する」ことを確認▽第1回中央執行委員会、常任委方針を承認。但し、「改革民団」の行動計画を承認するも、「すべての在日諸団体との対話推進」について、平和統一連合と韓統連についてはその対象に非ず、との指摘相次ぐ。河団長、適正対処を約す
4・21 金淳次副団長・鄭夢周事務総長ら、韓統連組織局長らと中央会館で会い、韓統連の敵性団体規定と郭東儀氏除名など処分解除を求める提議書(4月24日付)を接受
4・24 河団長、「『6・15共同宣言実践民族共同行事』へ参与する提議書」を同実践日本地域委(事務局=韓統連)に提出
4・26 06年度上半期全国地方団長・中央傘下団体長会議を開き、創団60周年行事を10月21日に幕張メッセで開催することなどを確認
5・2 第2回中央常任委、韓統連が敵性団体規定解除・郭東儀除名解除を求めた4月24日付提議書に対し、①「不当性を認定し」云々の文言は削除を求める②改革民団に敵性団体はないが、統一見解が必要であるとし、和解を前提に対処することを確認
5・10 民団新聞、6・15日本地域委に対する河団長名義の提議書の全文を掲載(同文書中、敵性団体である韓統連を民団と同等に扱ったことが問題になるや、5月24日付民団新聞で「韓統連」を「諸団体」に言い換えるなど、文言を一部訂正)▽民団新聞、敵性団体規定解除などを求めた韓統連の提議書について、「和合の時代を迎え未来志向的に前向きに検討」と報道
5・12 姜英之企画調整室長・徐組織局長、総連担当局長らと都内ホテルで協議、代表会談の日時・形態・声明内容などについて調整(13日、15日も協議)
5・15 第2回中央執行委、6・15共同行事、韓統連問題論議するも、総連との共同声明について「実現が不可能になると予想される」として一切言及せず
5・16 民団・総連はこの日午前、代表会談の時間・場所について確定
5・17 河団長ら民団中央代表団7人、総連中央本部を訪問し、徐萬述議長ら代表団7人と会談、「民団・総連5・17共同声明」を発表
5・18 毎日新聞、5・17声明に対する民団長野本部・呉公太団長のインタビュー記事を掲載、「(脱北者支援など)多くの問題を棚上げして和解しても、今後うまくやっていけるか心配がある。総合的に考えると必ずしも喜ばしいことではない」との発言を紹介、「中央本部の決定に従わない意向を示した」などと報道▽民団関東地協、5・17共同声明の真意と韓統連問題をめぐって紛糾
5・20 日本各紙、民団新潟本部は「総連との和解支持せず」「中央本部の決定に従わず」との見出しで報道(新潟本部は22日、日本人拉致問題など新潟には特殊な事情があり、「県次元で和解、和合の推進はできない」とする見解文を中央団長に送付)
5・22 河団長、内外記者と会見し、5・17声明に至る総連との交渉過程で脱北者支援センター、地方参政権獲得、総連同胞の母国訪問の3事業について、保留・中断することを条件にしたことはない、と弁明
5・23 東北地協、民団・総連トップ会談は規約違反であり責任を追及する、臨時中央委員会の早期開催を要望する、など8項目の緊急建議書を中央本部に伝達(その後、5・17声明の白紙撤回、臨時中央委開催、河執行部退陣を求める声明文が各地方本部、支部連合、傘下団体などから相次ぐ)
5・24 民団新聞、15日の第2回中央執行委で①6・15共同行事を成果的に推進することで、8・15共同行事を開催する土台をつくる②韓統連問題について組織的な合意と規約に基づく正式手続きを経ることを確認、と報道
6・1 第6回3機関連席会議、5・17声明にともなう組織混乱の責任を問うことを確認▽第3回中央執行委、河団長名義で日本地域委に参加を申し入れ、5・17声明でも共同参加を明記した6・15共同行事に、参加しないことを決議。執行委員から共同声明批判、臨時中央委開催の要求相次ぐ
6・5 河団長、「民団・総連5・17代表会談に関する声明書」を発表、共同声明は民団の理念・規約に反したものではないとし、全国で巻き起こった批判に対して、民団の分裂を画策し瓦解させようとするもの、と反論
6・12 全国地方団長・中央傘下団体長会議、臨時中央委の開催要求が噴出するも河団長はこれを拒否、大荒れに。1週間の期限付きで、3機関長が協議し態度表明することを確認
6・13 第4回緊急常任委で河団長、6・15共同行事および5・17会談を担当した姜英之企画室長が、自分でしたことは自分で責任をとるとして辞職(6月1日付)した、と発表
6・15 第4回緊急中央執行委、①組織混乱を収拾する臨時中央委を24日に開催する②総連中央との8・15共同開催は見送る、と決定
6・21 監察委員会、河団長に対し、組織混乱の責任所在を明確にするよう勧告
6・22 河団長、「第60回臨時中央委員会開催にあたって」と題する文書を全中央委員に送付、5・17事態について「私の意に反して行動した幹部の責任」「手続き上の不備」に言及、説明責任を果たすと言明
6・24 第60回臨時中央委、5・17声明の事実上の白紙撤回、推進責任者の処罰を監察機関に一任など議決。議場は大混乱となり、河団長に対する不信任動議が提出されるも審議不能に。民団正常化へ臨時大会の開催を求める署名運動が胎動
6・28 第8回3機関連席会議・第5回臨時中央常任委、紛糾した臨時中央委の総括をめぐって混乱、議決事項の明文化を確認
7・6 河団長、4日の北韓によるミサイル連続発射を受け、5・17声明を「白紙撤回せざるを得ない」とする談話を発表
7・7 監察委員会、姜英之前室長に事情聴取。姜氏、前言を翻し「すべての行動は団長の指示によるもの」と言明
7・8 民団正常化推進委員会(共同代表8人。事務局=愛知本部)が同37地方本部、6中央傘下団体の執行長が参加して発足、臨時中央大会の早期開催を求める署名運動を即日開始
7・10 金昌植監察委員長、規約18条に基づき臨時中央委の開催を要請する公文を金廣昇議長に送付
7・14 3機関連席会議、光復節後直ちに3機関は総辞職する、臨時中央大会の開催を中執委に提起することで合意▽正常化推進委、2機関長の「3機関長が21日にも総辞職する。署名運動の中止を」との要請を受け、署名運動の一時保留を決定
7・20 監察委員会、金淳次前副団長、金東一前平和統一委員長を事情聴取。両氏とも「すべての行動は団長の指示で行われた」と言明
7・21 第5回中央執行委、河団長が9月15日付で辞任することを承認し、第50回臨時中央大会を10月21日に開催することを決議。河団長、団長代行に金洪斤氏を指名▽河団長、中執委後の記者会見で、臨時大会で信を問うと発言。正常化推進委など、河団長の辞任先延ばしと再出馬発言に猛反発
7・26 正常化推進委、「河団長の早期退陣のみが民団正常化の選択肢」とするアピール文を発表、同日現在で有効署名が中央委員・代議員の過半数を超える320人に達したと表明
8・4 第7回常任委、臨時大会の早期開催を求める署名運動の正当性について激しい応酬あるも、第5回中執委の決定以外は認めないことを確認
8・8 監察委員会、金淳次前副団長停権2年、姜英之前室長停権2年、金東一前委員長警告の処分公文を送付
8・10 正常化推進委代表団、在籍中央委員・代議員534人の3分の2に当たる371人の署名簿を金議長に提出、規約第13条に基づく臨時中央大会の開催を正式要請
8・15 民団新聞社説、正常化推進委の署名活動に対し、「反国家的反政府的反民団的行動」と主張
8・17 河団長、「健康上の理由によって団務執行不能」とする辞任届けを金議長に提出
8・18 河団長、「再出馬の意思はない」とした文書を議長に伝達
8・22 3機関役員および中央執行委員合同会議、同日付で河団長の辞任を承認、臨時中央大会を9月21日に開催することを決定。団長代行に副団長の朴小秉氏が即時就任
8・23 辛容祥常任顧問を委員長に選挙管理委員会が発足
8・28 30日を締め切りに3機関長立候補登録の受付開始。期日までに5氏が団長候補に登録(1人は後日登録取り下げ)。議長は金廣昇氏、監察委員長は金昌植氏が単独候補▽在外国民補助金の使用実態に関し、外交通商部・在外同胞財団・駐日大使館による初の合同指導監査(〜30日)
9・6 第8回常任委で朴団長代行、臨時大会準備に全力で臨むよう指示
9・9 合同演説会、近畿地協を皮切りに始まる
9・21 第50回臨時中央大会の団長選挙で、鄭進候補が318票を獲得し当選。議長に金廣昇、監察委員長に金昌植氏が無投票当選
9・25 民団中央、補助金使途に関する韓国政府の「監査結果 問題点および是正要求」通報を接受
9・28 鄭団長、朴小秉団長代行より事務引継ぎ
10・4 鄭進団長、民団新聞に「創団60周年を迎えて」と題する談話を発表、5・17声明による組織混乱から正常化へ大きな一歩を踏み出したことを踏まえ、この間の葛藤に終止符を打ち、再び力強く歩もうとアピール
10・9 鄭団長、北韓の核実験強行を受け、「民族の生存を脅かす暴挙」と糾弾する抗議声明を発表
10・18 民団中央代表団、総連中央本部前で、北韓に核放棄を促す運動に総連同胞もともに決起するようアピール。文書伝達を試みるも総連はこれを徹底拒否
10・30 全国地方団長・中央傘下団体長会議、中央執行部の「5・17事態に対する見解」を基準に、生活者団体の本分に則り理解と寛容の精神で再団結を図ることを確認
11・10 中央本部に平和統一推進委員会、権益擁護委員会、民族教育委員会が発足
11・27 鄭団長、中央本部の財政問題に関し、透明性ある健全運営に徹するとともに、自立度を高めるべく鋭意努力するとの談話を発表
11・29 第197期組織学院、受講生28人で開講
12・19 第2回中執委、補助金処理問題で事実関係の周知徹底を確認
(2006.12.20 民団新聞)