掲載日 : [2007-01-01] 照会数 : 12184
<専門家座談会>張学錬弁護士
生活ケア最優先に
①真の生活者団体への転換の必要性
これまでの民団は、政治的な運動を目的とした団体であり、集団的な利益や権益擁護運動には取り組んできたが、個々の団員・同胞の生活面での問題については、十分に取り組んできたとは言えない。
逆に総連はそういう面でのケアを互助的に行ってきて大きな組織力を維持していると言える。民団も同胞の生活に根付いた問題に取り組まないと、集団的・政治的課題に対する同胞の要求が薄れてきた今日、組織力低下に直結すると思われる。
②生活面での総論的課題
生活面でのあらゆる課題について、専門的視点からシステマティックに取り組めるような体制を整える。専門家による研究機関の設立や、専門家とのネットワーク立ち上げなどが求められる。
生活面での課題を吸い上げ、汲み上げるための神経を隅々まで張り巡らせることが重要だ。そのほか、ニューカマーの組織化や財政基盤の大衆化などが挙げられる。
③生活面での個別的課題
団員の立場に立った言葉、文化その他の教育を安価に受けられるようにする。
差別問題や人権擁護法案への取り組みや、生活相談・経営相談・少年問題への取り組みを進めていく。
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プロフィール
張 学 錬弁護士 1963年京都市出身の在日3世。東京大学卒業。
(2007.1.1 民団新聞)