参加しませんか 韓日友情ウォーク
江戸時代に12回にわたって派遣された朝鮮通信使。その第1回派遣(1607年)から今年がちょうど400周年にあたる。善隣友好を今に伝える一行が通った各地では、文化交流が盛んに行われていた。漢陽(ソウル)から江戸(東京)まで、一行が歩いた行程を韓国と日本のウォーカーが21世紀の朝鮮通信使となって踏破しよう、そんな計画が進められている。
民団中央本部も後援
日本ウォーキング協会と韓国体育振興会が中心となって、往時の「韓日交流」をしのぶ、《ソウル‐東京・友情ウォーク》が実施されることになった。民団中央本部もその企画を全面的に後援し、通信使が通った沿道の皆さんだけでなく、各地の団員や家族、友人たちにウォークへの参加を呼びかける(全行程踏破コース申し込みは締め切り済み。日本国内の部分参加のみ可能、参加方法などは後述)。
韓国国内からも多彩な顔ぶれが参加への意思表示をしており、韓国人、日本人、そして在日が一緒に歩き、寝食を共にし、胸襟を開いて語り合う中で、未来志向の新たな友情が育まれる旅にしたいと関係者は強く意気込んでいる。
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現代の使節になろう 飛び入りでも大歓迎
日本側隊長 小林昌仁氏に聞く
(日本ウォーキング協会理事)で「ソウル‐東京・友情ウォーク」日本側隊長の小林昌仁氏に、その意義を聞いた。
朝鮮通信使は、豊臣秀吉による朝鮮侵略で途絶えてしまった日朝の善隣友好の再現と、国交回復を願った徳川家康の要請を受け入れて、朝鮮王朝が派遣した使節団ですね。通信使とは「信(よしみ)を通ずる使い」の意味で、江戸時代、将軍の代替わりの度に12回も日本を訪れました。今年は、その第一回派遣からちょうど400周年になります。
その節目の年を記念して、かつて朝鮮通信使がたどった道を日韓のウォーカーが一緒に歩いて、各地で草の根の交流を行いながら新たな友情を育もうと、私たち日本ウォーキング協会と韓国体育振興会が共同で企画しました。
私たちは2年前、韓国一周友情ウォークを挙行して、草の根の日韓交流を深めてきましたが、今回はさらに交流の輪を広げていきたいと思っています。
毎日歩きづめのウォーキングというと、体力的にとても大変だと思われるかもしれません。でも、それほどでもないんですよ。今回の友情ウォークの参加者は、ほとんどが50歳代、60歳代、70歳代の中高年で、隊長の私も70歳代です。旧街道踏破など国内で長期ウォーキングを開催する場合でも、参加者のほとんどが定年を迎えた人たちです。ま、そういう立場の人しか時間がとれないということはあるかもしれませんが。
ウォーキングは体力が衰えてきた高齢者でも十分に楽しめますし、今流行(はや)りのアンチ・エイジングにも最適です。参加者の誰もが実年齢よりずっと若く見えます。
ウォーキングには「一石何鳥」もの効果があるとよく言うんです。まず、やっていて楽しいこと。1日20㌔、30㌔の移動の場合でも、景色を見て楽しく会話しながら歩いていくと、あっという間に1日が過ぎてしまいます。歩き疲れたあとのご飯はおいしいし、よく眠れますよ。まさに快食快眠快便です。
そして、少しずつ体力・筋力がついていきます。逆に、無駄な脂肪が落ちて結果的にはダイエットにもなります。いま話題の、メタボリック症候群の解消にもいいということになりますね。つまり、健康維持にも良いということです。
さらにそれは若さの維持にもつながります。ここまでで「一石四鳥」になりますか。それに、友情ウォークと銘打っているように、日韓と在日のウォーカーが肩を並べて歩くことで、そこには新たな友情が生まれます。お題目だけの日韓友好ということでなく、一緒に歩くことで一体感が生まれてきて、友情が育まれ信頼感が深まることになります。これはウォーキング最大の喜びです。これで「一石五鳥」になりますね。
韓国からも、元延世大学副総長の金宗洙さんなど10名近くの方がすでに参加を表明されています。韓国一周ウォークでご一緒した方々との再会も楽しみです。
韓国から参加する方は日本語がほとんど話せませんし、日本からの参加者も韓国語に堪能な者はほとんどいません。それでも、一緒に歩いていると自然と意思疎通ができてしまうし、すぐに友達になってしまいます。
日本国内のコースでは飛び入りも大歓迎です。沿道にお住まいの在日の方々には是非参加していただきたいですね。初心者の方も、遠慮なく参加してください。
「21世紀の朝鮮通信使」になって、一緒に歩きましょう。
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日程及び計画概要
◆名称
「江戸時代の第1回から400年=21世紀の朝鮮通信使/ソウル‐東京・友情ウォーク」
◆主催
(社)日本ウォーキング協会、韓国体育振興会
◆後援
朝日新聞社、東亜日報社、朝鮮通信使縁地連絡協議会、朝鮮通信使文化事業会(釜山)、民団中央本部など
◆期間
2007年4月1日〜5月16日(46日間)
◆主な日程
◇〈韓国/19日間、483キロ〉
4月1日(日)/ソウル光化門を出発。
20日(金)/釜山出港、フェリーで対馬へ渡る。
◇〈日本/27日間、535キロ〉
4月20日(金)/対馬到着。25日(水)/大阪到着。
5月16日(水)/東京・日本橋にゴール。
(琵琶湖東岸にある朝鮮通信使専用の街道、通称朝鮮人街道も歩く)
◆部分参加者(日本国内・大阪‐東京間のみ)を募集中
①数日間のウォークに参加(宿泊を含む。宿泊施設と費用は、個人またはチームで自前調達してください)。
②1日の行程のみ参加(前日の宿泊地に早朝に集合し、当日の宿泊地で解散。宿泊を含まず)。
◆参加資格
平均して1日20キロ程度を歩けることですが、楽しく話しながら歩いていると、そんなに大変な行程ではありません。
◆参加費
保険・コース地図等の経費として、一日に付き500円。
◆問い合わせ・申し込み◇日本ウォーキング協会/FAX03‐5256‐7856(小林、斉藤)、「友情ウォーク」事務局長(遠藤)090‐6920‐2543
注=◎23日バス移動。鞆の浦で交流会◎24日バス移動。牛窓で交流会◎25日バス移動
(2007.1.31 民団新聞)