掲載日 : [2007-02-07] 照会数 : 8176
多重債務者に再生の道 好評の岡山商銀
[ 昨年9月開設された岡山商銀ローンセンター ]
「おまとめローン」 目標の1億円を達成
信用組合岡山商銀(李根善理事長、本店・岡山市)が実施している多重債務者を対象にした「しょうぎんおまとめローン相談センター」が好評だ。05年にローンを開始し、昨年9月に本格的にセンターを開設して以来、初年度目標の1億円を昨年末に達成し、貸出額は計25件、1億171万円に上っている。
おまとめローンの条件は、①県内在住の20歳以上65歳未満の者②勤続3年以上の安定した収入のある給与所得者(個人事業主、法人代表者は対象外)③融資金額100万以上500万円以下④金利年10%⑤融資期間10年以内⑥担保は原則不要⑦保証人(親族も可)2人−−となっている。
このほかに最も重視した条件が、生計を一にする同居家族全員に借入金をすべて開示すること。多重債務者が高金利の消費者ローンから決別し、新たなスタートを切ることを決意してこそ、初めて物心両面から支援できるというのだ。あくまでも目標は多重債務者の再生にある。
そのため、債務者との面談は実行までに5〜6回に及ぶ。家族も交え、本人から多重債務の実態を明らかにさせた上でおまとめローンの詳細を詰めていく。辛抱強く、時間をかけて面談を繰り返すため、自助努力で「再生したい」と真剣に望む者でなければ、途中で逃げて行く者も少なくない。
「開示」条件に信頼の絆
商銀側はあくまでも自立する環境整備を支援する立場に立つ。現在まで、貸し出しを受けた者による延滞は1件もなく、商銀との信頼関係が強いことを裏付けている。
昨年、岡山商銀本店に隣接してローンセンターを設置するにあたり、6人の新職員を採用したが、人物本位で選んだ。家族を含めた債務当事者の話をじっくり聴くことができる人物でなければ、この仕事は任せられないからだ。
これが功を奏し、問い合わせはひっきりなしで、多重債務に悩む人がいかに多いかを、担当者は改めて実感した。面談を重ねた末に実行する段階では、涙を流しながら感謝する者もいたという。職員たちが仕事に生きがいを感じる瞬間でもある。
「地域に密着した、手間ひまかけた手づくりの作業こそ、信用組合本来の業務だ」と担当者は強調する。韓信協傘下組合で初めての試みから目が離せない。
(2007.2.7 民団新聞)