掲載日 : [2007-02-21] 照会数 : 10628
<高校チャンプ>3世李大源角界入り
[ けいこ場で兄弟子(左)から指導を受ける李君 ]
「横綱目標に」 春日野部屋
06年の高校横綱(高校総体優勝者)、在日3世の李大源君(18)が春日野部屋から角界入りを果たし、大相撲初場所で初土俵を踏んだ。歴代の高校横綱で角界入りを果たしたのは、2年前の澤井豪太郎以来16人目とされる。春日野部屋では「入幕は通過点、横綱を目標に」と李君に大きな期待をかけている。
春日野部屋へは昨年12月16日に入門した。大学進学か角界入りか「ぎりぎりまで迷った」が、最後は「プロに行きたい」との気持ちが勝った。高校時代のライバルでいまは兄弟子にあたる栃煌山(明徳義塾高出身)が、入門2年足らずで十両に昇進したのにも刺激されたようだ。
報徳学園高校相撲部監督として李君を育てた福田耕治監督からは「大学での4年間がもったいない。李は早くプロの経験を積んだほうがいい」と勧められたという。春日野部屋としても、李君を中学1年生の時から注目してきただけに、入門を喜んでいる。
李君は193㌢、165㌔の恵まれた体。師匠の春日野親方は、「高校総体と国体優勝を果たした気力・体力は、素質的に申し分ない。細かい技術はまだまだ未熟だが、日ごろから鍛錬と努力を惜しまず精進すれば、3年内の入幕も可能だろう。部屋としては心身ともに頂点を目指す英才教育を施していきたい。入幕はあくまで通過点にすぎない。横綱を目指してほしい」と話している。
新弟子の朝は早い。5時半起床だが、さらに10分は早く起きる。6時の掃除から始まる雑務に追われ、朝稽古に参加できるのは8時過ぎから。
兄弟子の胸を借りる李君に春日野親方から「前へ前へ」「もっとあたって」と厳しい指導が飛んだ。約30分足らずの稽古中、李君は息を切らしながら何回も柄杓で水をすくって口に運んだ。春場所からは序の口として「李」のしこ名で初めて番付に掲載される。
李君は兵庫県尼崎市出身。小さいころからスポーツ万能。相撲では尼崎市市立成徳小2年生のとき、父親の鐘根さんの勧めで市の大会に出場し、準優勝を果たし、「勝つ喜びを知った」。以来、「柔道よりも決着が早くつく」ことから急速に相撲にのめり込んでいったという。
高校は相撲界の名門強豪校で、国体の強化指定校にも選ばれている報徳学園に進んだ。3年生の時、個人戦で優勝、団体戦でも報道学園の5連覇達成に貢献した。
(2007.2.21 民団新聞)