掲載日 : [2007-03-14] 照会数 : 8759
<民論団論>第61回定期中央委員会に思う
薛幸夫(鳥取県本部団長)
非生産排し結束の時
なんと不毛な会議だろう。徒労を感じずにはいられない。民団はどこに行こうとするのか、とさえ嘆きたくなる。
5・17事態による1年の損失については、いまさら悔いても致し方ない。政府補助金をめぐる民団バッシングにも、民団同胞を挙げて果敢に対応すべきだ。であれば、5・17事態後初めてであることはもちろん、補助金問題が表面化して初の中央委員会は、生産的であるべきだった。
中央委員会とは、年1回の最高議決会議ではないのか。まず、毎度のこととは言え、議決機関の進行の不手際を指摘しておきたい。多人数の会議である以上、時には罵声も野次も飛び交うだろう。しかし、一部の中央執行委員たちによる、執行部常任委員たちに対する冗漫な発言の繰り返しをどう受け取ればいいのか。これが当たり前になっていることに、呆れるしかない。
中7央執行委員会で充分に論議を尽くし、方針・予算案などを決め、中央委員会に上程するのが中央執行委員の役割ではないのか。
それにもかかわらず、遠路より来場した多くの中央委員たちを差し置いて、我先に発言するなどは、中学校の生徒会レベルでもあり得ない議事進行である。
中央執行委員会では一体、どのような議論をしているのか。中央執行委員が発言するたびに、多くの委員から「自分が提案したことに、自分で質問しているのと同じだ」との野次が盛んに飛んだが、当然のことである。
もちろん、中央委員会全体の構成のあり方にも関連するが、規約・立場を忘れた発言は、会議の進行にも大きな弊害をもたらす。時間が押してしまって、方針討議の分科会が昼食をはさんで1時間くらいしかなく、充分に論議がなされないままチャンチャンで承認とは笑止であろう。全国の中央委員たちは貴重な時間と金を使って集結しているのだ。
われわれは今、核心を衝くべき時ではないか。その核心とは、衰亡しつつある、いや絶滅に瀕しつつある在日同胞の実態に鑑み、在日最大組織の民団を再生し、今を生きる同胞たちがいくばくかの希望を抱ける方向を提示することだ。その機軸の1つが地方参政権であり、一点に集中して岩盤を穿つがごとく、力量を傾注せねばなるまい。
国会の巨大冷凍室には、「永住外国人の地方参政権法案」というシグンバプ(冷飯)が凍ったまま、放置されている。これを解凍チンして食べないと、在日は生きて行きにくい。民団よ、また1年を浪費するのか、と言いたい。
「ここがロードス島だ。飛べ」と言う言葉がある。イザという時には立つ、しかし、まだその時ではない、という態度に対して、発せられる言葉だと理解している。
私に言わせれば、「ここが独島だ。飛べ」であります。
(2007.3.14 民団新聞)